医師が教える「中高年スマホ脳」の特効薬(2)性処理には動画ではなく…

 スマホ依存による脳過労が厄介なのは、原因を突き止めにくい点にある。

「脳過労が引き起こす心身の不調は、コロナ後遺症との類似点も多く、特に軽症の段階ではほとんど見分けがつきません。脳に原因があることは明らかでも客観的なデータが乏しく、MRIでも大きな異変が見られるわけではありません」(奥村医師)

 実際、厚生労働省は新型コロナ感染症の罹患後症状(後遺症)として、疲労感および倦怠感、咳、関節痛、頭痛、記憶障害、集中力低下といった例を挙げている。スマホ脳の症状と重なる部分が多く見受けられるが、

「不安に駆られてスマホでいろいろと後遺症について調べるのは逆効果。脳過労とコロナ後遺症の悪循環で、かえって症状を悪化させる可能性が高い」(奥村医師)

 アメリカの調査会社の統計によると、22年のスマホの世界総出荷台数は約14億台。世界全域に普及し、今や北朝鮮でも歩きスマホが問題視されているというが、奥村医師は「日本人の脳は特に疲れやすい」として、こう解説する。

「日本では『情報は多ければ多いほどいい』と誤解している人が多い。というのも、島国の日本は他に逃げ場がなく、昔からムラ社会でいかに周囲と折り合いをつけるかが重要でした。いい意味でも悪い意味でも、他人の顔色をうかがい、空気を読んで仲よくやろうというのが日本人の国民性。SNS時代になって、膨大な人と関わりができるようになればなおさら。デジタル依存症という罠にハマりやすいのです」

 では、どうすればスマホ脳から脱却できるのか。前述した「だらだらスマホ」を止めるのもひとつの方法だろう。奥村医師は著書でセロトニンを活性化させるリズム運動やプチ座禅といった改善法を紹介しているが、アサ芸読者向けに、こんな「特効薬」を処方する。

「性に関する情報についても、スマホで検索すると、次から次へとアダルト動画が出てくるでしょう? これらは刺激が強すぎるんです。脳にゴミがいっぱい溜まって、何に対しても興奮できない状態になってしまう。ならば、アサ芸のグラビアを活用した方がいい。私が10代の時、昭和の時代は女性のヌードなんてそう簡単に見られませんでした。性生活もスマホに頼らず、雑誌のグラビアで処理すればいいんです。絶対に健康的ですよ」

 井上氏も紙媒体の活用を提案する。

「電子書籍に慣れてしまうとわかりませんが、実際に本を手に取ってページをめくると、けっこうな体力を使うんですよ。活字が大きく見えて、スマホの画面で小さな文字を追っていたのが不思議に思えるほど。スクリーンタイムやフィーチャーフォンの活用など〝脱スマホ依存〟の方法は様々ですが、やはり紙への回帰をオススメします」

 思い立ったが吉日。週刊アサヒ芸能2月16日号に掲載されたmiruの写真でスッキリすれば、みるみる体調がよくなるかも!?

*週刊アサヒ芸能2月16日号掲載

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