引退試合TKO負けのヒョードル、「米国遠征」を認めたのはプーチン大統領だった?

〝60億分の1の男〟などの異名を持つ総合格闘家のエメリヤーエンコ・ヒョードル(46)が4日、米カリフォルニア州で行われた総合格闘家イベント「ベラトール290」に出場。世界ヘビー級王者のライアン・ベイダーとタイトル戦を行い、1ラウンド2分30秒でTKO負け。現役生活に終止符を打った。

 01年から10年間無敗を誇ったレジェンドも年齢には勝てなかったが、ファンたちが気になったのはロシア国籍の彼が米国で試合を行ったこと。両国の関係は冷戦時代に逆戻りした最悪の状況で、米国がウクライナに武器提供しているのは周知の事実だ。そのため、日本でもネット上では《ロシア国籍なのに入国できたんだ》《そもそも入国禁止じゃなかったの?》など、驚きの声が上がっている。

「ウクライナのゼレンスキー大統領は西側諸国にロシア人の入国禁止を要請。しかし、バイデン大統領はこれに応じていません。政府関係者などの限定的な措置にとどめるべきとの考えですが、実はロシアも同様に米国人を全面入国禁止にはしていません。つまり、両国の行き来は今も可能というわけです」(米国在住ライター)

 ヒョードルは格闘家転身前にロシア陸軍に所属していたが今はあくまで一般人。昨年、「ロシア総合格闘技(MMA)連合」の会長に就任したが、政府の役職などに就いているわけではない。とはいえ、自身の知名度と立場を考えれば、個人の判断で渡米を決断することは難しい。

「ヒョードルはウクライナ出身ですが『私の故郷はロシア』と常々公言し、プーチン大統領も〝ロシアの誇り〟と称えています。以前から2人は交流があり、米国で今回の対戦相手ライアン・ベイダーと19年に試合した際も、オファー後に大統領に相談したことをロシア紙『スポルト・エクスプレス』が明かしています。おそらく、今回も大統領の許可が出て実現したはずです」(前出・ライター)

 この引退試合をきっかけに米露関係が少しでも改善されればいいが…。

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