イタズラ動画が回転寿司に深刻影響!「回転レーン廃止」の動きも

 回転寿司チェーンで迷惑行為を撮影したイタズラ動画の拡散が相次ぎ、ネット上では「正直、もう回転寿司を利用したくない」といったネガティブな意見も多く、回転レーンの限界を指摘する声すらある。

「今年に入り、『はま寿司』では他人の寿司を一貫だけ食べる動画やレーンを流れる寿司にワサビを乗せる動画が拡散し、『くら寿司』では一度取った寿司を再びレーンに戻す動画が、『スシロー』では寿司ネタに唾液を付けたり、湯呑みや醤油のボトルを舐め回す動画が拡散しました。わずか1カ月の間に大手3社でイタズラ動画が頻発したため、回転寿司にはマイナスな印象が広がり、大きな風評被害を受けているのです」(フードライター)

 今、回転寿司チェーンで迷惑行為が相次いでいる原因のひとつにコロナ禍による非接触化がある。受付や案内は自動化されタッチパネルで注文するなど、店舗にいてほとんど店員の姿を目にすることはない。そのため、店員の目を気にすることなく、イタズラしやすい環境が出来上がっている面もある。しかし、こうしたシステムをやめることは難しく、究極は回転レーンを廃止してしまった方が手っ取り早い。

「『魚べい』などを展開する元気寿司グループでは、すでに回らない回転寿司店を拡充させたことで寿司の廃棄量が激減し、約1億円の損失削除になったといいます。イタズラ防止以外にも回転レーンをなくしてしまうことにはメリットが少なくないのです」(経済ライター)

 すでに「はま寿司」では、回転レーンではなく注文された寿司を運ぶストレートレーンへの切り替えが進められているという。今後、回る寿司店は激減するかもしれない。

(小林洋三)

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