トップのスシローを追うくら寿司について、前出の米川伸生氏は「エンタメ性」に着目してこう話す。
「何を隠そう社長がアイデアマンで、独自の皿回収システムなど回転寿司関連で100近くの特許を取得していますし、『ビッくらポン!』など子供が楽しむ仕掛けがたくさんあるでしょう? 人気アニメとのコラボ企画も好評で、子供が大人を連れてくるわけです」
御三家の中で、唯一、最低価格の1皿100円(税抜)を維持しているはま寿司は何を仕掛けるのか。
「これが肉なんですよ。牛丼チェーンのすき家を展開するゼンショーグループということもあって、牛カルビや生ハムといった『肉握り』のメニューを充実させ、〝肉のはま寿司〟として他との差別化を図っています」(米川氏)
それぞれの特色を把握したら、いよいよ裏技の紹介といこう。
寿司ネタの王道といえばマグロだが、
「100円台のマグロがあるのに、300円台の大トロが流れてくると、『高いなぁ』って思いますよね。でも、【2】一度試してほしいのがスシローの『天然インド鮪7貫食べ比べ』。本マグロの大トロや中トロ、あぶりまで堪能できて1100円ちょっと。純粋に寿司として味わった時の満足感、お得感は大きいですよ」(米川氏)
味はお墨付き。高級寿司屋に行くことを考えれば、かなり安上がりだろう。
「回転寿司には一人飲みでちょくちょく利用させてもらっています」
こう話すのはアイドルグループ「エラバレシ」のメンバーで、「200貫完食」の大記録を持つ大食いアイドルのもえのあずき。プライベートでも月に2回は通うと言うが、その理由とは?
「【3】実は回転寿司の生ビールってとてもクオリティが高いんです。泡はきめ細かいし、キンキンに冷えてるし、ビアレストランにも引けを取らない美味しさ。卓上のガリを肴に極上のビールを飲みながらタッチパネルで『何を頼もうかな』とアレコレ選んでいるのが至福のひとときですね」
パネル操作で気軽に寿司が注文できるのはうれしいが、回っている寿司にも注目してほしい。
「くら寿司で有名な〝隠れメニュー〟が『とろ鉄火巻』。【4】タッチパネルで頼むと200円台なのに、レーンに流れてくるのはなぜか100円台。実はこのお得なメニューはフェア開催時の限定メニューなので、随時、公式ホームページをチェックしてほしいですね」(米川氏)
鉄火巻きが半値とは驚きだが、レーンでしかゲットできないメニューはスシローにもある。それが「倍盛り海鮮漬け」だ。前出の米川氏は「遭遇できるかは運次第」としてこう話す。
「これはハマチやマグロを切りつけした際の〝端材〟で作っているのですが、何しろ手間がかかるため、提供する店とそうでない店ではっきり分かれるのです」
提供する店がわかれば、後は来店するタイミングが肝要となる。
「切り身は時間が経つと味が落ちるので、早く処理しなければいけません。そう考えると、【5】狙い目はオープン直後、もしくは夕方の17時前後。ピークタイムの少し前の時間帯は、レーンから目を離さないことです」(米川氏)
スシローの裏メニューはまだある。
「【6】レーン限定の商品といえばハラミ。ハマチやマダイのハラミもレアなので一度は食べてほしい。印象深いのは活ヒラメのエンガワ。身が真っ白ではなくピンクがかっていて絶品なんですよ」(米川氏)
流れてくるネタに抱くワクワク感。これぞ回転寿司の醍醐味かもしれない。
*週刊アサヒ芸能11月10日号掲載