Appleユーザー「バッテリー修理代値上げ」と「勝手に直せば違法行為」の二重苦

 保証対象外となったiPhone、iPad、MacbookといったApple製品のバッテリー交換費用が3月1日から値上げされることが分かった。公式サイトにある各製品の修理サービスのページに値上げ予告が掲載されたことで発覚したが、これにはある要望の声が相次いでいる。

「Appleのサイトによると、iPhone14より前の全モデルのiPhoneの保証対象外バッテリー交換料金が3000円値上げされ、iPad Pro12.9インチ (第5世代以前)、iPad Pro11インチ (第3世代以前)、iPad Pro10.5インチ、iPad Pro9.7インチ、iPad mini(第6世代以前)、iPad Air(第5世代以前)は3800円、MacBook Air (全モデル) は8200円、MacBookとMacBook Pro(全モデル) は8200円~1万3700円値上げされるといいます」(ネットライター)

 昨年発売されたiPhone14シリーズでは初めて販売時の価格が10万円を超えるなど年々価格が上昇しており、円安の影響もあってiPad AirやiPad miniは2度の値上げが実施されている。また、AppleはApp storeの値上げに加えApple Musicなどサブスクリプションサービスも軒並み値上げしている状況だ。そのうえバッテリー交換費用まで値上げされるとあって、ネット上では個人でもバッテリー交換が手軽に行えるようになることを望む声が多く寄せられているのだ。

「昨年6月に電子機器を対象とした『修理する権利』を定める法案がニューヨーク州議会で可決したことを受け、Appleはアメリカやヨーロッパなどで一般人でも修理ができるようにパーツの販売を開始しました。しかし、パーツ交換には専用の修理器具が必要となることから正規サービスプロバイダに依頼するよりも割高になるケースもあり、加えて素人が修理や交換を行うにはiPhoneは非常に複雑で難しいという声もあります。そもそも、日本では修理する権利が認められておらず、自身の修理によって『技適マーク』の効果が無くなった、あるいはマークを外した商品を使うと違法行為になりますからね」(ITジャーナリスト)

 Apple製品の値上げが相次ぎ、今後は商品を長く使いたいと考える人も多いだろうが、バッテリー交換費用の値上げが重くのしかかりそうだ。

(小林洋三)

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