年明けから激しさを増すロシアによるウクライナへのミサイル攻撃
「これはブダノフ氏がBBCのインタビューで明らかにしたもので、30日に現地紙の『ウクラインスカ・プラウダ』(電子版)が報道。さらに同日付の『キエフ・インディペンデント』は、ウクライナのレズニコフ国防相がロシア語メッセージで『あなた方に選択の余地があるのは、あと1週間ほどだという事実を知っています』と語ったという記事を掲載しています。つまり、レズニコフ氏がブダノフ氏の発言を裏付けているわけです。この情報が事実なら『二度目の徴兵令』が発令される可能性は高く、それが現実となればプーチンの求心力はさらに低下するでしょう。昨年12月7日に記者会見で語った『軍事作戦は順調で、部分動員を再開する要因はない』という発言が嘘八百ということになりますからね」(全国紙記者)
プーチン大統領が初めて「部分動員」を口にしたのは昨年9月21日のこと。当初は「国民を動員することはない」とのスタンスをとっていたものの、劣勢が伝えられ始めたあたりから、突如「“1000キロを超える戦闘ラインができた”から数が必要」と言いだし、「ロシアと国民を守るために、あらゆる手段を行使する。これは、はったりではない」と豪語。結果、前言を翻し「やらない」としてきた「動員」に手を出すことになった。
「それでも徴兵の対象は『軍に勤務し、特定の専門と経験を持っている市民だけ』と、あくまでも『部分的動員』だとして国民に理解を求めてきました。しかし、独立系メディアなどの報道で、軍隊経験のない年配の男性や学生、さらに障がい者にも徴兵通知が届くといった現状が報じられました。また、軍が召集したとされる30万人という数字も、実際は非公開のため『100万人規模』と報じる独立系メディアもあります。つまり、今回の『徴兵第2弾』という情報が確かなら、それだけ動員してもなお兵士が足りないということですから、もはや打つ手なしというところまで追い詰められている可能性は拭えません」(同)
相変わらず連邦議会の急進派議員らからは「総動員すべき」との声も上がる一方、昨年11月末には、ロシア連邦警備局が極秘世論調査を行ったところ「戦争継続」支持者は25%で、一方「和平交渉」を求める国民が55%もいたことが独立系メディアの報道で明らかになっている。
さて、24年春に行われるロシア大統領選を前に、プーチン大統領はどんな手を打つのか。これ以上、無益な血が流されないことだけを祈るばかりだ。
(灯倫太郎)