巨人が来季の新外国人選手として、前サンフランシスコ・ジャイアンツのルイス・ブリンソン外野手(現在はフリーエージェント)を調査中−12月8日にそんな一報が駆け巡った。
「2012年ドラフトで1巡目指名(全体29位)、28歳、メジャー通算28発、強肩で俊足、身体能力の高いタイプです。素質がまだ開花していない選手が、日本球界でブレイクするケースも珍しくなく、今季ブレークしたウォーカー同様、ブリンソンにファンも期待しているようです」(スポーツ紙記者)
早くも、「中堅・ブリンソン、右翼・丸」の布陣を予想する声もある。しかし、米メディアはこんな見方をするのだ。
「お手並み拝見。やめたほうがいい」(現地記者)
果たして、ブリンソンとはどんな選手なのか。東部地区のチームに詳しい米国人ライターが解説する。
「18年から21年まで、ナ・リーグ東部地区のマーリンズに在籍していました。素質があるのにレギュラーを獲れなかった理由は至って簡単です。その性格!」
いや、素行不良という意味ではない。「失敗しても直そうとしない」性格なのだそうだ。
「彼の技術的な欠点、短所は、シーズン序盤に全然打てないこと、好不調の波が大きすぎて安定しないこと、右投手が打てない、の3つです。身体能力が高く、マーリンズ時代の4年間は『来季こそ』とずっと期待されていたんですが、欠点、短所は1つも改善されなかった。それでも起用されてきたのは、『一打逆転負け』といった大ピンチでチームを救うスーパープレーを連発させてきたから。しかし、そのメンタル的な強さは欠点克服には生かされず、首脳陣、地元メディアの辛口批評やファンのブーイングを聞き流すほうに使われたのです」(前出・米国人ライター)
それはSFジャイアンツに移籍した2022年も変わらず、マイナーで無駄にその時間を消耗させてきたようだ。
「SFジャイアンツにはマイク・ヤストレムスキーがいます。彼は三冠王のカール・ヤストレムスキーの孫で、周囲の高すぎる期待値とも戦い、努力に努力を重ねて、29歳でようやくレギュラーをつかんだ遅咲きの選手。その彼を間近で見ても、ブリンソンの『やる気』は変わらなかったんです」(前出・米国人ライター)
では、巨人が獲得したとしてブリンソンは覚醒するのかー前出・現地記者の言うように、まさに「お手並み拝見」なのである。
(飯山満/スポーツライター)