「松屋」宣伝ポスターの日本語は間違いか否か? 文系と理系で大論争になったワケ

 とあるツイッターアカウントが牛丼チェーン「松屋」の店内に掲示されている肉へのこだわりを伝えるポスターの日本語表現に疑問を呈すると、13万件以上のいいねが付くなどネット上で拡散。この表現を巡っては日本語として正しいのか間違っているのか、文系と理系で意見が割れ、論争が巻き起こっている。

「ツイッターに投稿された松屋のポスターは、『松屋の知らない世界 牛めし編』と題されたもので、大きな文字で『肉の厚さは1.1ミリ。それ以上でもそれ以下でもダメなんです』と書かれています。1.1ミリというのはタレの温度と浸透圧を計算してふわっと柔らかく、美味しい食感を実現するために丁度いい厚さだそうで、それだけこだわっていることをアピールしたものとなっています。しかし、投稿者はこのポスターに対して『なら何ミリでもダメじゃね…?』と疑問を呈したのです」(ネットライター)

 確かに、それ以上でもそれ以下でもダメであるなら、1.1ミリ以上も1.1ミリ以下もそれぞれ1.1ミリを含むことになるため、何ミリでもダメという意味になってしまう。1.1ミリジャストでなければダメという意味にするのなら、例えば「1.1ミリを超過しても、それ未満でも」という表現の方が正しいだろう。

「ネット上では松屋のポスターの日本語がおかしいとツッコミが殺到していますが、その一方でこの表現で正しいと擁護する声もあります。実は、『それ以上でもそれ以下でもない』という表現は小説の中でも使われている言い回しで、『ちょうど』を表す慣用句なのです。国語表現としては存在しているものなのに、数学的には間違っているため、文系と理系で『おかしい』『おかしくない』と意見が真っ二つに分かれているのです。まぁ、どちらにせよ松屋としては最近あまり話題になることもなかったので、意外なところでバズってくれたことで良い宣伝になったのではないでしょうか」(前出・ネットライター)

 実際に牛めしの肉の厚さを測ってみたら、どんな結果になるのだろうか?

(小林洋三)

ビジネス