今年の「トライアウト組」あまり声がかからないのは「現役ドラフト」の影響だった

 福岡ソフトバンクホークスがDeNAからFA宣言していた嶺井博希捕手、楽天を戦力外となっていた渡辺佑樹投手の入団を発表した(11月21日)。しかし、今季のオフは例年とは「動き」が違う。トレードは活発に行われ、フリーエージェントの交渉もスムーズに行われているが、「12球団合同トライアウト」を受験した選手たちの去就は、あまり進んでいないようなのだ。

「新天地を見つけられた選手は数える程度。前楽天の渡辺は、本当に良かったと思います。トライアウトから再起することができた選手は毎年少ないんですが、今年は交渉しているとか、某球団がアノ選手に興味を示しているといった情報もあまり入ってきません」(スポーツ紙記者)

 渡辺以外のトライアウト受験選手だが、前中日の三ツ俣大樹、前阪神・尾仲祐哉、前巨人育成・沼田翔平がヤクルトへ、前ロッテの西巻賢二が育成契約でDeNAへ、2016年阪神ドラフト2位の小野泰己がオリックスに、前巨人のウレーニャが楽天と育成契約を交わしたくらいだ(同時点)。

 今年は「再起を目指す」選手の獲得に関しては「動きが鈍い」と言わざるを得ない。球団スタッフや関係者から多く聞かれるのは、やはり新たに設けられた「現役ドラフト」の影響だ。「現役ドラフト」は各球団がリストアップした選手を他球団が指名して移籍する制度。これにより、出場機会に恵まれない選手が他球団に活躍の場を求めることができる。

「まだ様子見と言ったところ。初めての試みだし、どんなクラスの選手がリストアップされ、こちらが興味を持った選手をどれくらいの確率で獲得できるのか、やってみなければ分かりません」(在京球団スタッフ)

 一方で、“戦力外”になる選手は、シーズン中にある程度なら予想できるという。

「若手野手で言えば、練習試合を含め、1000打席は立たせてやります。その半分の500を過ぎたあたりから800打席の間にいる選手を、球団はチェックするんですよ。『この選手に最後の1000打席までチャンスを与える価値があるかどうか』って…。かわいそうだけど、二軍首脳陣が価値ナシ、成長が見られないと判断すれば、その時点でジ・エンドです」(球界関係者)

 ただ、本当に努力している選手に対しては、シーズン中、コーチ、球団スタッフが内々に働きかけるという。ファーム戦の合間などで「ウチではチャンスがありませんでしたが、何とかなりませんか。本当に良い選手なんです」と、相手球団にこっそりと頭を下げに行くそうだ。

 名前の出た選手は、トライアウトで“要チェック”となるらしい。

 現役ドラフト後に、彼らトライアウト組にもオファーがあると信じたい。

(スポーツライター・飯山満)

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