今年初めには飲食店で撮影した迷惑動画が社会問題となったが、この11月に入って再び飲食店での迷惑行為の報告が増加している。日本人のマナー低下を指摘する声もあるが、果たして本当にそうなのだろうか?
今月2日、東京・高田馬場にある人気ラーメン店「博多ラーメンでぶちゃん」の店主がX(旧Twitter)に鼻をかんだティッシュをグラスに入れる男性客の映像と共に「もうね心がおれましてね ティッシュ置くのをやめます…」と投稿。何度注意しても、注書きをしても、丼やグラスにティッシュを捨てる客が後を絶たないことを嘆いた。
また、今月8日には回転寿司チェーン「はま寿司」とみられる店舗のお茶用の蛇口から湯たんぽにお湯を入れる女性客の動画がXに投稿され、さらに11日には牛丼チェーン「吉野家」で周囲に多くの客がいるにも関わらず、上半身裸でブリーフ一枚の男性が食事する姿を収めた動画が拡散され、《営業妨害以外の何ものでもない》といった批判の声が殺到。日本人のマナー低下を嘆く声が数多く寄せられたのだった。
「飲食店における日本人のマナーが低下しているかといえば必ずしもそうではないと思います。昔は鼻をかんだティッシュを丼やグラスに捨てるどころか、吸い殻を捨てる輩もいました。ほとんどの飲食店がいたずらの出前注文を受けた経験があると思いますし、ガラの悪い客も多かったですからね。今が著しくマナーが悪くなっているかと言われれば、そんなことはないと思います。ただ、インターネットがあることで、目立ちたい精神で飲食店での迷惑動画を投稿したり、また店や他の客がマナーの悪い客を晒す投稿をすることで可視化され、特に今年はそれが目立った1年になったということだと思います」(フリージャーナリスト)
もはや見慣れてしまった感もある飲食店での迷惑行為、来年には減ることを願うばかりだ。
(小林洋三)