巨人の秋季キャンプは「一塁手」に注目が集まりそうだ。
10月29日、ジャイアンツ球場での秋季練習終了後、岡本和真内野手がサブグラウンドに移動し、一塁での特守メニューに汗を流した。「侍ジャパン」で一塁を守る可能性があるという。
「岡本は久々で戸惑ったと話していましたが、けっこうサマになっていましたよ。三塁には村上宗隆もいます。栗山英樹代表監督は村上と岡本の両方を起用する布陣を理想としています」（スポーツ紙記者）
巨人では“不動の三塁手”だが、「侍ジャパン」のチーム事情では仕方ないだろう。そかし一塁手の練習でいえば、秘かに注目されている選手もいた。坂本勇人である。
「もし、坂本をコンバートするのであれば、秋季キャンプから始めなければ間に合いません。この秋季練習ではショートしか守っていませんが」（球界関係者）
今季の坂本は故障で出場は83試合まで激減した。リーダー不在の間、チームは大敗が続き、その存在感の大きさも再認識させられた。来季は34歳でペナントレースを迎える。遊撃手としての体力的負担を考えると、真剣に坂本のコンバートを検討しなければならない時期になった。
「原辰徳監督がシーズン中、坂本と話し合いました。『体力的につらいのなら』と原監督のほうから切り出し、コンバート先として出たのが一塁でした」（前出・同）
坂本はこの秋季練習でコンバートの雰囲気は全く見せていない。シーズン中の直接会談で坂本がどう回答したかは不明だが、「ショートへの愛着」が語られたのではないだろうか。
「坂本のコンバートについては色々な情報が交錯しています。坂本がショートにこだわるのなら、そう遠くない未来に若手とレギュラー争いをすることになります。『打つ』ことを優先するのなら、早いうちに一塁か三塁にコンバートしてもらったほうがいい」（ベテラン記者）
三塁コンバート説も消えていない。しかし、「一塁送球」の点でみれば、良策ではないとする向きも巨人内にはあるそうだ。坂本の気持ちを優先してショートで完全燃焼させるのか、それとも、テストを兼ねて一塁か三塁も守らせてみるのか‥‥。秋季キャンプの守備練習でその結論が出る。来季もチームの命運は坂本次第となりそうだ。
（スポーツライター・飯山満）
