「当選回数に上限を」政治家の世襲をめぐって田﨑史郎氏と安部敏樹氏が激論

 岸田文雄総理が10月4日付で長男の翔太郎氏を政務担当の総理秘書官に起用する人事を発表すると、この世襲人事に世論は猛反発。支持率のさらなる急降下が懸念される中、10月12日放送のテレビ朝日系情報番組「羽鳥慎一 モーニングショー」は日本の政界の世襲問題を取り上げた。

 番組では、01年の小泉政権から振り返り、歴代総理9人のうち6人が世襲議員であることを紹介。起業家で番組コメンテーターを務める安部敏樹氏は、「僕はね、当選回数の上限を決めるっていうのがいちばんいいと思うんですよね」と述べ、「世襲に限らない話」として、

「政治というものを本業にしてそれ以外、仕事ができなくなってしまうような人ができた時、その人は当然、転職もしませんから、自分の生活のためにも政治を続けてしまうと思うんですよね。それだったら、むしろ例えば上限3回まで、4回まで、5回までと決めてしまって、それを終わったら人にバトンタッチしましょう、と。すると、自然と世襲みたいなものがしづらくなるじゃないですか。回数決まってるから。そういうふうな形が理想なんじゃないかと思ってるんで」

 こう述べて、国会議員の当選回数に上限をもうけるべきと持論を展開した。

 これを受けて政治評論家の田﨑史郎氏は「議員になることが家業になっているというのはまずい感じがする」と理解を示しながらも、安部氏の「当選回数に上限を」という意見には、「当選回数で区切ると、衆議院だと25歳で当選できるわけですね。そうすると、当選回数増やす、どんどん若いから当選回数重ねることができるわけで、当選回数で区切るっていうよりも、定年制を徹底して強化するってことじゃないですかね」と異論を述べた。

 安部氏は「僕はそうは思わない」と反論。定年制については「高齢者に対する年齢差別だという議論もあるわけですよね」と述べ、「若い世代が25歳で入って、50年続けますと。それはいつか老害化するに決まってるじゃないですか。いちばん自分の変えたいことがあって、具体的な政策、アジェンダを持ってるタイミングにおいてのみ、政治家をやればよくて。政治家になること自体が目的化することがおかしいと思うんです」とコメントした。

 その後も安部氏が「しっかりルールを決めて、(上限)ここまでだから」と当選回数に制限を加えるよう提言すると、田﨑氏は「当選回数で区切るということはできないです。悪いけど。それは当選回数重ねた方が、政治家として熟練していい面も出てくるんです」と経験の重要性を主張し、「ある程度の経験を積まないと政治の世界で物事動かせないんですよ」と述べた。

「ネット上では田﨑さんと安部さんの大激論が話題になり、《安部さん頑張ってる》《玉川さんいなくても大丈夫だ》といった安部さんを擁護する意見が大半を占めていました。玉川徹さんの謹慎期間中はいまいち盛り上がりに欠けていましたが、この日の放送は大好評。番組終盤のストレッチでも、浜田敬子さんと一緒に全力で足をあげてスタジオを盛り上げていました」(ネットライター)

 玉川氏の番組復帰まで1週間。それまで視聴者をつなぎとめておくことができるか。

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