「声を出しての応援、声援は禁止」上原浩治氏の苦言に阪神ファン反発のワケ

 10月10日、横浜スタジアムで行われたセ・リーグのCSファーストステージ、DeNA対阪神の第3戦。2点を追う4回の場面で、阪神・佐藤輝明のソロアーチに左翼席の虎ファンが大いに沸いた。これを受けてか、ハマスタの場内には「声を出しての声援はお止めください」と異例のアナウンスが響く。SNS上では阪神のファイナルステージ進出よりも“声出し応援”が大きな話題となってしまった中、元巨人の上原浩治氏もTwitterで苦言を呈した。

 試合終了後、上原氏は「阪神ファンの皆さん、野球で興奮してくれたりするのは、野球OBとして本当に嬉しく思います」「ただルールとして声を出しての応援、声援は禁止されてるので控えてもらいたいですね」「せっかくの素晴らしい試合が台無しに…選手とファンが一体となって戦うのがスポーツの素晴らしいところだと思うので…」とツイートを投稿したが、これに一部の阪神ファンから《他球団ファンも声出ししてるやん》《阪神ファンだけ悪者扱いですか?》と猛反論が飛んだ。

 上原氏は直後にツイートを削除し、「阪神ファンだけではないと思います」「12球団で協力してやっていきましょう。ってことを言いたいんです」「今回は、球場アナウンスがあったから、このようなTweet をしました」「言葉足らずですいませんでした」と、再度ツイートを投稿。「阪神ファンのみなさん」と呼びかけた直前の投稿内容を訂正した。

 “声出し応援”についてSNS上が論争状態になる中、ファイナルステージを翌日に控えた11日に阪神タイガースは公式Twitterを更新。「明日から明治神宮野球場で開催されます『2022 JERAクライマックスシリーズ セ』を観戦されるファンの皆様には『正しいマスクの着用』『声を張り上げての応援の禁止』等の応援ルールをお守りいただきますようお願いいたします。『声援は心の中で』チームのファイナルステージ突破を後押ししましょう!」と、ルールの順守を求めた。“声出し応援”については10日のハマスタでの騒動だけでなく、シーズンを通して何度も物議となっていた印象だが、ついに球団が“黙認”をといてファンにマナー向上を投げかけたのだ。

 “ウィズコロナ”時代に突入し、マスク着用や声出し応援のルールに疑問の声も多くあがっているが、球団側の呼びかけるルールに反する応援はいかがなものか。野球ファンの良識が問われている。

(浜野ふみ)

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