2025年4月の開幕が予定されている大阪・関西万博が窮地に陥っている。会場建設費は誘致段階の1250億円から約1.5倍の1850億円に増額されているが、資材費や人件費の高騰により、さらなる増額が検討されているという。
8月23日放送の「羽鳥慎一 モーニングショー」(テレビ朝日系)では、「建設費“膨張”設計変更 東京五輪でも」というテロップのもと、大会経費がふくれあがった東京五輪を引き合いに出して、出演者がトークを展開。起業家の安部敏樹氏は「オリンピックもそうですけど、行政がやってるイベント系の話って予算の見積もりに対して精度の低さがハンパない」とバッサリ。さらに「普通の経営的な観点で見たら、倒産しますよみたいな話」とダメ出しした。
これを受けて、元テレビ朝日社員でコメンテーターの玉川徹氏は「これは国がやるイベントごとっていうだけじゃなくて、日本の公共事業、一般の話なんですよ。公共事業っていうのは『小さく生んで大きく育てる』みたいなことを平気で関係者が言ったりするわけです」とコメント。公共事業を興す際には、少ない予算で見積もりを立ててその後、どんどん予算が増えていくのが通例だと指摘して、「いかにも時代の変化だとか不測の事態で増えちゃいましたっていう話なんだけど、はじめからわかってたんじゃないかっていうのが公共事業一般の話なんですよ」と切り捨てた。
さらに玉川氏は「万博もまたか」と前置きしてこう語った。
「今回の万博、主催は国ですけど、日本維新の会が二人三脚で進めてきたわけですよ。日本維新の会は税金の使い方に対しては厳しいですよね。たとえば議員減らすんだとか無駄な税金は減らすとか、予算を組み替えるんだっていう話をずっと言ってるわけです。じゃあ、この万博はどうするんですか? 万博だけは特別なんですか? ぜひ今までの主張どおりですね、日本維新の会が中心になって増えないようにしていただきたいと思いますよ。当初予算より。じゃなかったら、今までの公共事業が既得権のからんでいる人たちと二人三脚でどんどん増やすってことをやってきた既得権の政治と変わらないってことになっちゃいますよ」
続けて「まさに正念場じゃないですか。ここをどういうふうにして予算を増やさないようにして収めるか」と日本維新の会に注文をつけた玉川氏。今回の真っ向批判は話題を集め、SNS上では 《玉川さん正論》《ええこと言うた!》などと支持するコメントが殺到していた。
「ワイドショーでは、日本維新の会を批判するシーンはあまり見られません。特に大阪の読売テレビが制作する『ミヤネ屋』では、“維新叩き”はタブーとされています。それだけに、玉川さんの発言は関西の“アンチ維新”の注目を集めたのではないでしょうか」(メディア誌ライター)
大阪・関西万博をめぐるゴタゴタに忖度ナシの発言を待っていた視聴者は少なくなかったようだ。