「国葬反対」集会1万3000人に支持率急落…岸田首相の「後悔先に立たず」修羅

 9月19日、東京都渋谷区の代々木公園で安倍晋三元首相の国葬などに反対する集会が開かれ、台風14号の影響で時折強い雨が降る中、主催者発表によると約1万3000人が集まったという。日に日に批判の声が大きくなっているが、それでも岸田首相が国葬中止を決断できない理由は何なのか。

 集会では、呼びかけ人のルポライター鎌田慧氏が国葬を閣議で決めてしまったことに憤慨し、「国会を通せ。それが民主主義だ」と主張。共産党の志位和夫委員長や社民党の福島瑞穂党首も登壇した。集会後には渋谷と原宿方面の二手に分かれ、「憲法違反の国葬反対」とシュプレヒコールを上げながらデモ行進も行われた。

 毎日新聞と社会調査研究センターが17、18日に実施した全国世論調査によると、岸田内閣の支持率は29%で、8月調査から7ポイント下落。同調査では安倍氏の国葬の賛否について、「反対」が62%と前回より9ポイント増えており、国葬が支持率の下落にも影響を与えているとみられている。

「岸田首相は国葬について、早々に実施を決定してしまったことを後悔し始めているとの見方もあり、また、それを周囲が留めているとの情報もあります。岸田首相は8月10日に異例の前倒しで内閣改造をおこないましたが、それを認めさせるために自民党の最大派閥である安倍派に忖度して、国葬を執り行うことを決めたとの話もある。そのため、岸田首相本人が反対の声に耳を傾けたとしても、党内にそれを打ち消す動きがあるというのです。ここまでくれば、どんなに反対運動が起きても国葬は強行されるでしょうね」(政治部記者)

 国葬反対の意見は6割を超えているが、もはや後戻りはできないということか。

(小林洋三)

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