「岸田vs菅」国葬後バトルの全内幕【2】菅氏の「大阪入り」が大波紋!

 この混乱に高みの見物を決め込んでいるのが、菅義偉前総理(73)だ。

「27日の国葬では『友人代表』として感動的な弔辞を読み、久々に表舞台への登場となりました。しかし、水面下での動きは活発で、自らが宣言したカーボンニュートラル関連事業の視察として山梨や北海道など地方を精力的に回っているのです。特に北海道での視察には、小泉進次郎元環境相(41)、鈴木直道北海道知事(41)など、息のかかった人物が同行しており、『これは菅派旗揚げののろしだ』と官邸を刺激している」(デスク)

 無派閥の菅前総理は昨年の総裁選では、岸田総理に出馬を先んじられると、あえなく不出馬宣言に追い込まれた。安倍派、麻生派、茂木派など党運営を牛耳る派閥に属さず、勉強会グループで十数人の若手議員を束ねる程度だ。だが、たとえ非主流派であっても、7年半にわたって官房長官として安倍内閣を支えた辣腕は党外にもシンパを広げているという。

 その友党が「日本維新の会」だ。

 在阪政治部記者が打ち明ける。

「松井一郎前代表(58)とはたびたび会食するなど昵懇だったが、後任の馬場伸幸代表(57)も『尊敬する政治家は菅先生』と崇拝するほどです。実は9月初旬に菅さんが隠密に大阪入りし、あるパーティーに出席したことが確認されているのです。維新の会の参院議員、閣僚経験のある公明党の衆院議員、さらには地元財界人や芸能人など、数十人が集まる大規模なものでした」

 この大阪入りこそが大問題だと、波紋を広げているのだ。

「参院選では、茂木幹事長が従来の菅カラーの排除を打ち出し、『維新とは選挙協力しない』とまで発言し、維新を敵に回してしまった。維新と自民の関係が冷え切った中で、菅前総理は党内から批判されるのを覚悟で大阪に入った。そこまでして維新との個人的関係を強めるのは、岸田総理への牽制が目的とも言われています」(キャップ)

 さらに、菅前総理は公明党とも太いパイプを持つと言われる。

「旧統一教会の問題は火消しされるどころか、勢いが増して、政治と宗教の問題にまで燃え移る勢いです。公明党は、岸田総理では選挙の顔にふさわしくないと三行半を突きつけている。その点、菅氏なら安定した政権運営ができると信頼が厚い」(デスク)

 しかし、逆襲の「菅派旗揚げ」にはやはり党内での支持固めこそが急務。そこで浮上したウルトラCの秘策とは?

「菅前総理は、日頃から『安倍総理の遺志を継ぐ』と発言している。一方の萩生田氏も、安倍派では〝後継者〟の筆頭候補。政調会長の実権を握っているのは大きいですからね。とはいえ、旧統一教会問題とズブズブの萩生田氏が派閥からハジき出される公算も大きい。そこで菅前総理が安倍イズムを誘い水にして一本釣り。『ポスト岸田』に据えれば、菅派を70人規模の〝大派閥〟にすることも可能です」(デスク)

 宗教や国葬を巡るゴタゴタに乗じて党を制する寝業師ぶりは健在。菅マジックの再来となるか。

*「週刊アサヒ芸能」10月5日号掲載。【3】に続く

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