安倍元総理「国葬とカネ」闇カラクリを暴く(2)大幅予算オーバーは東京五輪のごとく…

 そもそも、安倍元総理が死去した原因などを考えれば、必要な警備費は堂々と開陳すれば、とも思えるが‥‥。政治評論家の有馬晴海氏が解説する。

「最初からボタンの掛け違いがあるんです。本来は、国民の皆さんが安倍さんの死を悼んでいるということになれば、国会に持っていって『これは国葬にしたほうがいいのでは?』と議論して決める。主権は国民であり、その代表が立法府の国会議員ですから。なのに(安倍元総理の死去から)6日後に岸田総理が決めてしまった。安倍さんの人気を考えれば、国葬が自分の支持率アップにつながる、そう思ったのでしょう」

 国会に持っていけば野党との間で侃々諤々の議論も起きただろうが、与党が多数を占めるだけに、最終的には〝国民の声〟として国葬が決定した可能性もある。

「旧統一教会の問題なども含め、野党やマスコミの声が大きくなっていますが、総理がいったん決めたことをヤメるわけにはいかない。そこでかかる費用を少なく見せるようにしている。当初公表した予算の2億4940万円にしても、まるで2980円(ニッ、キュッ、パ)みたいな、少しでも安く思わせるような手法を取っているようにしか思えません」(有馬氏)

 さらに警備費以外のところでも、予算オーバーは十分予想されるという。

「細かいことを言えば、献花などもそうです。中曽根(康弘・享年101)さんの葬儀(内閣・自民党合同葬)の時も、菊の市場価格が3倍から5倍に上がったと聞いています。今回も想定した予算より高くなるケースは十分考えられます。しかし、岸田さんにしてみれば、終わってしまえば、いずれ国民も忘れると思っているのかもしれません。逆にこれが岸田内閣にとって命取りになる可能性もあると思っています」(有馬氏)

 67年に行われた吉田茂元総理(享年89)の国葬では8万本の菊が使用されたという。現在、白菊は物価高もあり1本450円程度。仮に5倍に跳ね上がり、8万本が使用されるとなれば1億8000万円。会場費2億5000万円のほとんどを菊の花で使ってしまうことにもなりかねないのだ。

 大幅な予算オーバーは、さながら東京五輪を彷彿させる。国葬終了後、実は100億円かかりました、となりそうな雲行きだ。

*「週刊アサヒ芸能」9月22日号掲載

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