安倍元総理「改造銃テロ犯」闇の顔(2)銃の試作品を作りすぎた

 社会部記者が語る。

「犯人の山上は今回、『政治信条などではなく、母親が新興宗教にハマり、多額の寄付をして家が破産した。そこで新興宗教団体と関係する安倍総理を狙った』という趣旨の発言をしている。山上自身は信者ではなく、逆恨みの挙句、安倍氏を狙った可能性が強いと見られています」

 奈良県出身の山上容疑者は地元の高校を卒業後、03年から05年の3年間、任官自衛官として広島県の呉基地に勤務していたことが明らかになっている。

「山上は長崎県にある佐世保教育隊で実習を受けた後に、02年末から04年4月にかけて呉基地の護衛艦『まつゆき』に配属されています。砲雷科に配置され、大砲など艦載武器の訓練を受けた後に、呉基地にある海自第1術科学に移り、練習船の乗組員となって、任期を終えている。ただ、あまり目立たなかったようで、ほとんど同僚の記憶にも残っていなかったようです」(社会部記者)

 その後、山上容疑者は大阪で生活。近年は、実家に近い奈良県奈良市内の月額3万8000円のマンションで生活をして、月に数回程度実家にも戻っていたようだ。

「山上の自宅はいわゆる6畳間のワンルームで、ここを拠点に今年の春頃から銃と爆弾の製作に没頭していたようだ。しかもあまりに銃の試作品を作りすぎたため、一部の自作銃を実家に持ち込んでいた。安倍氏銃撃の直後に奈良県警の捜査員が家宅捜索した際にもリード線がついた電子機器が複数発見されたことで、一時は周辺住民も避難したほど。自宅からはパソコンも押収されており、かなりの武器マニアであったこともわかっています」(捜査関係者)

 安倍氏の、奈良の応援演説が決まったのは、事件前日の7日夕方のこと。山上容疑者は、このタイミングをテロ決行の好機と見たのだろうか。

「山上は5月に、勤務先だった人材派遣会社も『しんどい』という理由で辞めています。それから犯行までの2カ月間は、安倍氏の暗殺を虎視眈々と狙う執拗さが見て取れる。しかしその一方で犯行自体は行き当たりばったりで、本人の取り調べでの供述は、陰謀論に傾いたものが多い。背後関係についても捜査を進めていますが、あくまで単独犯の線が強いと見られています」(社会部記者)

 一国の総理まで務めた政治家がこんな形で命を落とすとは誰が想像できたであろうか。

*「週刊アサヒ芸能」7月21日号より

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