仙台育英がついに白河の関超え!甲子園「決勝前日休養日」の影響とは?

 ついに、白河の関越えだ。夏の甲子園大会は東北勢が初優勝、宮城県代表の仙台育英が頂点に立った。

「対戦した下関国際もそうでしたが、先発投手の調子が良かったですね。前日の休養日のおかげでは」(アマチュア野球担当記者)

 試合前、こんな展開も予想されていた。大阪桐蔭、近江を破って勢いに乗る下関国際の打線と、仙台育英の投手陣「140キロ超クインテット(五重奏)」の対戦——。しかし、打線が爆発したのは仙台育英のほうだった。

「打線は水物とはよく言いますが。仙台育英の投手が良かったのでしょう。でも、今大会は『3日間の休養日』が初めて予定通り消化されました。とくに、準決勝と決勝戦の間に休養日が設けられたのは大きいですね」(前出・同)

 高校球児の負担軽減、健康管理が重視されるのは良いことだが…。

 そもそも、大会期間中に「3日間の休養日」を設けると決まったのは、2021年大会から。13年に準々決勝翌日に初めて設定され、19年には準決勝翌日にも設けられ、昨年の前回大会では「3回戦と準々決勝の間」にも休養日が付け加えられた。しかし、昨年は7度「雨天順延」があったように、天候問題できちんと休養日を消化できなかった。

「18年大会では、金足農の吉田輝星(現日本ハム)が決勝戦途中で力尽き、マウンドを譲りました。3日間の休養日を設けるべきと決まったのはその影響です」(関係者)

“最後の休養日”となった21日、両校は甲子園球場や室内で軽めの練習を行った。その元気な様子に、さすがは全国大会の決勝戦まで勝ち上がってきた猛者たちだと感心したが、両校とも休養日は「ありがたい」と話していた。

「休養日だった21日は、日曜日。日曜日が決勝戦だったら、もっと盛り上がったのに」

 そんな声も多く聞かれたが、見る側と実際にプレーする側では事情が違う。今後、甲子園大会のキーワードは「調整」ということになりそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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