8月15日、厚生労働省は入国の際に義務付けていた帰国前PCR検査のルールの変更を発表した。これまでは「日本到着の72時間以内に最終滞在国でのPCR検査の陰性証明書が必要」だったが、変更後は「72時間以内の検査結果なら日本で受けたPCR検査の陰性証明書で可」になったのだ。
つまり、3日以内の帰国なら日本出国直前に受けたPCR検査でも有効ということだ。短期出張の多いビジネスマンや週末に海外旅行を楽しみたい人には便利とも言えるが、この変更に大ブーイングが起きている。ネット上でも《こんな見直し付け焼刃》《もはや意味不明》などといったコメントが目立っている。
では何が問題視されているのか。全国紙社会部記者が解説する。
「8月中旬現在、ワクチン接種者にもPCR検査の陰性証明書を義務付けているのは、日本以外には中国とアフリカの一部の国くらいです。ヨーロッパではすでに規制が大幅に緩和され、フランスのように完全撤廃した国もあるほど。このような世界の趨勢からすれば、せめて従来のルールを維持するか、いっそこの流れに沿って撤廃するべきでした。あまりにも中途半端なルール変更だったため、批判が起きているのです」
元ワクチン担当相の河野太郎デジタル相もツイッターでこうコメントしている。
「これが有効ならば、そもそも帰国時の検査は不要ではないか」
実は、今回の改正は帰国前PCR検査の撤廃に向けた措置とも言われており、「早ければ年内にも撤廃」などという声もある。何事にも慎重な日本らしいやり方と言えばそれまでだが…。