丸亀製麺が4人で9000円! ついに日本人の「ハワイ離れ」が始まった?

 この夏、3年ぶりに多くの日本人観光客がハワイを訪れた。JALは羽田・成田・関空・中部からホノルル便を飛ばし、ANAも「フライングホヌ」の愛称で知られる総2階建て旅客機A380を7月から再投入している。

 ちなみにお盆期間の利用状況についてJALは「前年の10倍以上」、ANAは「予約率は9割弱」と発表していたが、コロナ前に比べてしまうとまだまだ物寂しい印象。お盆休みに家族でホノルルを訪れた40代の男性会社員は、「利用便の予約率は7〜8割と公表されていましたが、乗るとそこまで行ってない感じ。以前はお盆だとほぼ満席だったため、やはり少ない気がする」と話す。

「夏場を迎えてからコロナの第7波に見舞われ、キャンセルした人も多いようです。ただし、それを抜きにしても旅行会社からは『期待したほどではなかった』との話も聞きます」(旅行誌編集者)

 海外旅行離れの大きな要因に挙げられるのが航空券の高騰だ。国際線の場合、大半の路線で航空券代がコロナ前の1.5〜2倍になっている。そして、もう1つはバブル崩壊後の90年代以来となる記録的な円安だ。

 特に米国の消費者物価は6月時点で前年比プラス9.1%なのに対し、日本はプラス2.2%。食品や雑貨などあらゆる物が値上がりしているのは日本に限った話ではなく、むしろ上げ幅は米国のほうが大きい。

「ワイキキにある丸亀製麺でお昼を食べたのですが、家族4人でほぼ70ドル(約9340円)。いくら食べ盛りの子供が2人いたとはいえ、日本では信じれられない料金です。これでもあのエリアではリーズナブルな部類だし、この状態が続くようだと今後ハワイに行くのは予算的に難しそうです」(前出・会社員)

 同様の理由で当面は欧米圏への旅行を控える人が増えるとの予測もあるとか。

「仮に米国でもハワイより安上がりなグアム、また物価の安いベトナムやタイなど東南アジアのリゾートを選ぶ人が増えるかもしれません」(前出・旅行誌編集者)

 以前は庶民でも楽しめたハワイ旅行だが、どうやら再び高嶺の花に逆戻りしてしまったようだ。

(高島昌俊)

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