丸亀製麺は香川県で苦戦もココイチはインドで大好評

 うどん業界では店舗数、売上高ともに2位のはなまるうどんを大きく引き離して1位を独走する丸亀製麺。だが、讃岐うどんの本場・香川県にあるのはわずか1店舗のみ(※3月上旬時点)と人気は今ひとつだ。

 一方、これとは対照的に“本場”で好評なのが、20年にカレー発祥の地インドに上陸した「カレーハウスCoCo壱番屋」だ。

 店舗は首都ニューデリーに隣接した“インドのシリコンバレー”と呼ばれるIT都市のグルグラムにあり、当初はお客の大半が日本人。しかし、口コミで評判が広がり、今ではインド人客のほうが多いという。

「牛肉と豚肉が禁忌のヒンズー教に配慮し、これらの食材は具材やルーにも使っていません。また、インドはベジタリアンも多い、彼らでも楽しめるココイチらしい多彩なトッピングメニューを用意しています。現地のカレーとは味わいも風味も異なり、インド人から日本料理と捉えられていますが、『インドのカレーとは別物だけど、これはこれで美味しい』とリピーターとして通う方も多いですよ」(飲食業界誌編集者)

 こうした本場への外食チェーンの“逆輸出”はこれだけではない。熊本に本店を置く「味千ラーメン」は、国内では中堅規模のチェーンだが、中国全土でなんと700店舗以上を展開。中国ではその名を知らない者がいないほどで最大の成功例と言えるだろう。

 また、台湾やシンガポールなどアジア各地に400店舗以上を持つ「モスバーガー」もハンバーガーの本場である欧米圏のオーストラリアに11年に進出。4店舗と店の数こそ少ないが、手作り感のあるリーズナブルなバーガーショップとして現地では人気だ。

「それだけ日本の外食チェーンのレベルが高いということ。見方によっては飽和状態の国内よりも海外に目を向けたほうがビジネス的には勝機もあると言えます」(同)

 次のどのチェーンが本場への殴り込みをかけるのか。寿司以外にも通用する料理が多いことを世界に証明してもらいたいものだ。

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