江川卓氏と西本聖氏、元巨人の「最強ライバル投手」と呼ばれた2人。江川氏が持ち前の才能で“怪物”と名付けられれば、西本投手は踏まれても這い上がる“雑草”のような努力型というのが、当時の世間の印象だった。そんなバチバチしたイメージがグラウンドにも表れていたように記憶しているが、どうやら登板前の食事ルーティンも好対照だったようだ。
「プロ野球選手の食事」について江川氏が語った、YouTubeチャンネル〈江川卓のたかされ【江川卓 公式チャンネル】〉の7月24日の回を観るとそれがよくわかる。
登板前に食事をとるピッチャーと食べないピッチャーにタイプが二分されるようで、
「(自宅からの場合)お昼ご飯を食べたら、試合終わるまで食べません。で、家に帰ってから2食目を食べます」
というのが江川氏。食べると胃に神経が集中してしまう気がするそうで、帰宅するまで水分以外は補給せず、おかげで「7回くらいで、お腹すいたなって感じはマウンドでありますね」と回顧していた。
一方、西本氏については、
「西本投手は試合前、腹いっぱい食べます。‥‥いや、悪いって言ってるんじゃないよ、西本に。(中略)西本が集中して無いって言ってるんじゃなく‥‥」
とジョークを交えつつ説明。現役当時、西本投手に「何で食べるの?」と訊ねると、「食べないと力が出ないような気がする」といった回答があったのだとか。
プロテインやサプリも西本氏はとり入れていたが、江川氏は口にしなかった。栄養補助食にしても、考え方が全く違っていたようだ。
現在は仲が良いことを公言している江川氏だが、食事に対する意識からして違うことだらけで、当時ウワサされた不仲説がリアルに思い出されるのであった。
(ユーチューブライター・所ひで)