俳優の坂口健太郎と女優の杏がW主演する月9ドラマ「競争の番人」(フジテレビ系)が早くも窮地に立たされた。7月11日に放送された初回の平均世帯視聴率は11.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)と2桁を記録したが、7月18日放送の2回目は8.9%と1桁台に下がってしまった。
本作は前クールの「元彼の遺言状」の原作を手がけたミステリー作家・新川帆立氏の同名小説のドラマ化。公正取引委員会を舞台に、坂口演じる東大卒の変わり者の審査官と、杏演じる感情のままに行動する元刑事の新人職員が企業の不正を暴くストーリー展開だ。
第19回「このミステリーがすごい!」大賞で大賞を受賞した「元彼の遺言状」は原作の評価は高く、主演は〝視聴率の女王〟と呼ばれる女優の綾瀬はるか。フジ関係者の期待が自ずと高まったことは容易に想像できるが、フタを開けてみれば初回から3話まで視聴率は2桁をキープするも、第4話以降は1桁台に低迷。全話平均世帯視聴率は9.1%と期待外れに終わった。
フジの看板ドラマ枠で2作連続の失敗は許されない。ところが、「競争の番人」は第2話で視聴率は2桁割れ。「元彼の遺言状」を上回るスピードで失速してしまった。この先、V字回復は見込めるのか。
「ネット上の反応を見ると、キャストの演技が良くてストーリーも面白いと評判です。その一方、初回放送の話が第2話で完結せず第3話まで続くことに〝引っ張りすぎ〟との意見もありました。『元彼の遺言状』ではタイトル名となった事件がたった2話で解決し、〝あっさりし過ぎている〟と視聴者は騒然としましたが、『競争の番人』では逆の結果となり皮肉なものです。第1話からのストーリーがまだ続いているので、次の第3話で視聴率がアップするとは考えにくいでしょう。第4話以降、よほど視聴者の興味を引くテーマであるか、数字が見込める人気俳優が登場しないと、V字回復は難しいと言わざるをえません」(テレビ誌ライター)
月9の底力を見せてほしいものだ。
(石田英明)