三浦瑠麗氏は敬礼に苦言、「テッパチ!」が局内で“集中砲火”を浴びていた

 陸上自衛隊を舞台にした町田啓太主演ドラマ「テッパチ!」(フジテレビ系)が苦戦を強いられている。7月13日放送の第2話の世帯視聴率は5.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。前回の第1話から2ポイント下げる結果となった。

 7月16日放送の「フジテレビ批評」では、フジテレビで行われた7月の番組審議会の模様をレポート。審議委員たちの「テッパチ!」への意見を取り上げた。
 
「自衛隊というものが何をしているのか、どういう使命感で働いているのかということが、非常にわかりやすく伝えられる。そういう意味では現代の日本にとって大きな意義のある番組かというふうに思います」

 ドラマに好意的なコメントをしたのは明治大学教授の齋藤孝委員。他の委員からも、自衛隊をドラマの題材にしたことに対しては高く評価する声があった。

 その一方で、放送作家の小山薫堂委員はこう指摘した。

「今回やはり自衛隊という設定であるがゆえに、どうしても視聴者はリアリティーを求めるという目線になってしまうのではないでしょうか。一般人ではやはり想像できないような自衛官の当たり前というのをもっと見せてもいいのかなと思いました」

 このリアリティーという言葉に反応したのか、国際政治学者の三浦瑠麗委員は「リアリティー、たとえば敬礼の仕方に関しては、もうちょっとちゃんとした指導が必要かと思います。演技指導はちゃんと、やっぱりせっかく防衛省に、あの…陸上自衛隊に協力いただいているわけですから」と、敬礼にリアリティーがないと苦言を呈した。

 また、第1話で物議を醸したのが、イケメン俳優たちが肉体美を披露したシャワーシーン。この描写についても、「上半身のマッパを見せればファンは喜ぶというふうな感覚」「制作者側の感覚がアップデートされていない」といった意見が寄せられ、“集中砲火”の様相となった。こうした批評に、「テッパチ!」の編成担当者は「現場の若手スタッフからもやっぱりいくつか描写として必要なのか、という声もあがってきてもいる」と語り、今後、視聴者の反応や現場の声をドラマ作りに反映させていく方針を明らかにした。

 三浦氏が指摘した自衛隊の敬礼については、ネットでも賛否両論となっている。

「ドラマでエリート自衛官を演じる白石麻衣さんは、役作りにあたって、現役の陸尉の方に敬礼や声の出し方などの所作を教わったそう。三浦氏の言うとおり、敬礼にリアリティーがないとしたら、現役隊員の教え方が間違っているのか、白石さんの覚えが悪いのか…。実際、SNS上では白石さんの敬礼を称賛する声がある一方で、《肘の角度がなってない》《脱帽時の敬礼ってこんなんだっけ?》と指摘する声も…。微妙な差かもしれませんが、自衛隊経験者やマニアは看過できないのかもしれません」(テレビ誌ライター)

 自衛隊ドラマの浮沈を握るのは、シャワーシーンではなく、細かいリアリティーにあるのかもしれない。

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