夏の参議院選挙への出馬を表明している元おニャン子の生稲晃子氏に訴訟騒ぎが持ち上がり、早くも逆風に晒されている。
「訴えたのはジェイ・エスコムホールディングスの子会社で、BSの通販番組『痛快!買い物ランド ショップ島』を制作している東京テレビランドです。訴えの内容は、2016年から生稲さんは準レギュラーの扱いで出演していたところ、今回の出馬で既に収録した映像が使えなくなったからというもの。そこで生稲さんの所属事務所のプロダクション尾木に損害賠償請求を行うというものです。訴訟提起日は6月6日で、訴額は900万円ですが、場合によっては最大で2000万~4000万円になる可能性があるとのことです」(週刊誌記者)
正直、代わりのタレントはいくらでもいるのだろうが、既に制作済みのものということなら致し方ないところか。タレントが選挙に出馬する際のリスクとも言えるだろう。
生稲氏はタレント活動の傍ら、鉄板焼き屋の経営や全国展開するヘアサロン運営会社に請われて社外取締役に就任するなど、事業に通じた一面も持つ。過去にはがんで5度の手術を受けた苦労人でもある。16年には政府の「働き方改革実現会議」の有識者メンバーを務めている。だからこその出馬だった。
「改選議席数6の東京選挙区は激戦が予想されます。自民は現職の朝日健太郎氏と生稲さんの2人を公認して2議席獲得を目指しますが、朝日氏は元バレーボール選手で有名人枠。そして生稲さんもタレント候補ということで、知名度が逆に仇となる可能性も考えられます。それに知名度ということで言えば、常勝・蓮舫氏にれいわの山本太郎氏、乙武さんといった面々もいて、これらの候補者に比べると政治経験の無さも目につくでしょう」(全国紙記者)
そこで頼みの綱となるのが「元おニャン子」の看板だ。5月30日の事務所開き後に行われた「いくいな晃子を励ます会」では、同じ元おニャン子で「会員番号17」の城之内早苗さんが会場を訪れて激励した。だが6月最初の週末に、「元おニャン子クラブ、会員番号40番です」とアナウンスする選挙カーが都内を走ったものの、ネットでは「なんのこっちゃと思った」といった声も。確かに50代には刺さるかもしれないが、若い人には「なんのこっちゃ」だろう。
だが、最後には元首相も激励に訪れるとの予測も。
「女性擁立にこだわったものの、三浦瑠麗、膳場貴子、安藤優子、菊間千乃、菊池桃子らにさんざん断られた末にようやく決まったとされる生稲氏擁立は、萩生田光一都連会長と丸川珠代会長代行、世耕弘成自民参院幹事長が決めたとみられています。この人たちはいずれも安倍晋三元首相が会長で、自民党最大派閥の清和会です。だから最後は安倍元首相が応援に駆けつけて、清和会のメンツにかけても当選させたいはず」(同)
選挙は全て「絶対負けられない戦い」だが、「自民東京選挙区女性枠」はまた違った意味での「絶対負けられない戦い」ということらしい。
(猫間滋)