7月10日に投開票された参院選の東京選挙区で、元おニャン子クラブで自民新人の生稲晃子氏が初当選を果たした。選挙特番を通じ、生の喜びの声を聞きたかった有権者も多かったに違いないが、それはかなわなかった。
同日放送の選挙特番「池上彰の参院選ライブ」(テレビ東京系)では、安倍晋三元首相の銃撃事件が起こる前から、この日の出演をオファーしていたという。しかし、生稲陣営は全てのテレビ番組への中継インタビュー出演を拒否。その理由を同局記者が陣営に取材したところ、匿名を条件に「生稲さんは国会議員としての資質、勉強が圧倒的に足りないからだ」と説明されたとのことだった。ジャーナリストの池上彰氏は「インタビューに自信がないのかもしれないが、自信がない中でも答えるという責任がある」と苦言を呈した。
その後、陣営はこのテレビ東京の報道に反論。インタビューを全て断ったのは「当確が出るのは遅い時間が見込まれ、各社のインタビューを受ける時間がないので100(全て受ける)か0(全て受けない)か選ぶとなったときに0を取った」と一部ネットメディアの取材に応えて説明。「政治家の資質がないと言われれば、これから政策を提言し評価してもらうしかない」と釈明した。
生稲氏といえば、NHKが行った選挙アンケートにほぼ無回答で答え、SNS上で大バッシングを浴びた。東京新聞が7月5日に掲載したアンケートには、同じく自民公認で東京選挙区から出馬している朝日健太郎候補とほぼ同じ記述があり、〝パクリ疑惑〟も浮上。相次ぐトラブルをものともせず、激戦区の東京で当選したことは快挙のひと言に尽きる。
仮に〝勉強が足りない〟のなら、参院議員の任期は6年あり、たっぷり勉強もできる。その勉強代が高くつくことも生稲氏にはご理解いただきたい。
「国会議員の給与(歳費)は衆院議員、参院議員とも月約129万円。ボーナスに相当する期末手当は6月と12月に各約314万円。合計、年約2180万円が支給されます。これとは別に調査研究広報滞在費として月100万円が渡されます。報酬と政治活動費を合算すれば、年約3380万円です。もちろん、この金額は国民の税金から支払われます」(週刊誌記者)
給与に見合う活躍を、一刻も早く見たいものだ。
(石田英明)