来シーズンの開幕に合わせてお披露目となる北海道日本ハムの新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」。開閉式ドームで外野部分は一面ガラス張り、併設されるホテルの客室やサウナからも試合が観戦可能で、敷地内にはマンションやショッピングモールなども建設される予定。国内はもとより米国でも類を見ない規模の複合型ボールパークとして注目を集めている。
だが、そんなうなぎ上りの前評判に対し、不安材料がないわけではない。なかでも大きな課題となっているのが最寄り駅問題だ。
新球場はJR千歳線沿いの広大な敷地に建設中で、目の前には新駅「北海道ボールパーク駅(仮称)」の設置が決まっている。だが、開業予定は28年とまだまだ先だ。
現在の最寄り駅は北広島駅だが、駅からの距離は約1.5キロで徒歩だと20分前後かかる。特に夏場は北海道でも30度を超すことも多いため、試合の前後にこれだけ歩かなければならないのはさすがにキツい。
「試合開催日は北広島駅と札幌市東部の新札幌駅の2ヶ所からシャトルバスを運行する予定ですが、乗り場は大混雑する可能性が高い。札幌ドームから札幌中心部へは30分とかからずに移動できますが、新球場はその倍はかかる見通しです」(地元ライター)
また、JRは快速が6両だが普通列車は3両で運行することもあり、運行本数も首都圏や関西圏ほど多くない。札幌市内に住む70代の男性ファンは「新球場は行ってみたいがアクセスが大変そう。今までのように気軽に観戦には行けない」と話すが、年配のファンから実際にこうした声をよく聞くという。
「ボールパーク駅開業が移転5年後というのはあまりに遅い。建設費用を負担するのは地元自治体なので無理強いはできませんが、新庄ビッグボスがそこまでの長期政権になるとは思えませんし、開業のころにはブームが去っている可能性があるでしょうね」(同)
集客や経済効果を期待するなら1年でも前倒しで開業したほうがいい気もするが…。