「桐谷さん」オススメNO.1銘柄が想定外の“優待改悪”で謝罪する事態に【2022前半BEST】

「桐谷さん」といえば、悠々自適の株主優待生活を満喫する投資家として有名。そんな“達人”が推奨した銘柄が“改悪”されたというのだから、さあ大変! 2月1日配信記事より。

 日本テレビ系列のトークバラエティ『月曜から夜ふかし』でお馴染みの桐谷広人さんは、株主優待に詳しい投資家として有名なのだが、その桐谷さんが薦めた株の銘柄を巡って、本人がツイッター上で謝罪(自主的に)に追い込まれる場面があった。1月28日のツイートにはこうある。

「ひろぎんが優待改悪を発表して、夜間取引で株価が急落しました。……私もいい優待のトップにあげていました。すみません」

 そもそもの話は昨年10月のこと。日経新聞が株主優待で全国各地の地元の特産品がもらえる「地場産品優待」の企画に桐谷さんを登場させ、「桐谷さんが選ぶ株主優待 地場産品がもらえる銘柄」と題してトップ10を上げてもらったのだが、まさにそのNO.1銘柄として紹介していたのが「ひろぎんホールディングス」だった。だが、ひろぎんは1月28日に突如として優待の縮小を公表すると、28日が金曜日だったために夜間取引で株価は急落。優待メリットを勘案して株を買った投資家の失望を買い、まさかそんなことになるとは思わなかった桐谷さんも、結果責任として謝罪をせざるを得ない事態に陥り…という散々な目に。

 昨年10月当時、日経紙上で桐谷さんはひろぎんを1位で薦めた理由をこう話していた。

「昨年の優待新設発表時には多くの個人投資家がその内容の良さに驚いた優待です」

 まさに、もろ手を上げてひろぎん株を薦めていたのだ。というのも、投資金額が6万円ほどで2500円相当の地場産品のカタログギフトがもらえるという手厚い優待だったので皆が注目。このチャンスに買わない手はない、というわけだ。ただ、それだけ人気であればひろぎん株を買う投資家は多く、となればひろぎんはコストがかさんでしまうために、優待を改悪してしまう可能性もなくはない。でも、そこは新設されたばかりなので当面は大丈夫だろうと桐谷さんも予想していたが、その懸念がずばり。優待の縮小が発表されてしまった。

「ひろぎんHDは広島の地元の広島銀行を傘下に持つ持ち株会社。銀行だけに優待の中身は手堅いと思われていた。ところが優待のメリットが大幅に縮小される“改悪”が降ってわいたように発表された。可能性としてはあり得ることではありますが、桐谷さんならずとも、まさかそんな手のひらを返したようなことをするかなあ?というのが普通の感覚でしょう」(経済ジャーナリスト)

 なかなかにコストのかかる優待政策に、桐谷さんの“宣伝”もあって多くの投資家を集めてしまったのだろう、想定以上のコスト増にひろぎんが優待政策を変更するのは経済合理性からも分からないわけではない。ただ結果としては、これと同じようなことが他の銘柄で起きない可能性がないわけではないので、ネット上では「桐谷さん、永遠に謝り続けないといけないじゃん」と桐谷さんに同情する声もあった。

 結局、誰も得をしなかった今回の展開。あまりに都合の良い優待を打ち出せば、その企業の信用を損ねかねないということか。

(猫間滋)

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