ファン離れが止まらず、各地でホールの閉店ラッシュが続くパチンコ業界。凋落著しい庶民の娯楽に対し、遊戯機メーカーで構成される業界団体の日工組(日本遊技機工業組合)と日電協(日本電動式遊技機工業協同組合)が起死回生の一手と期待するのが、通称「スマパチ」と呼ばれるスマートパチンコだ。
これは従来機種と異なり、玉やメダルに触れずに遊ぶことができる次世代型遊技機。各ホールの出玉データも専用のデータセンターでの一括管理が可能となる。
「長時間パチンコ台のハンドルを握ったり、スロットのレバーを叩いていると腕や手が疲れるため、中高年ユーザーからは改善を求める声が上がっていました。また、玉やメダルを触りながらの遊戯だと指が汚れますし、コロナ禍の影響もあって衛生的に遊べるスマパチが客を呼び戻す起爆剤になると期待されています」(パチンコライター)
導入時期はスロット版のスマスロが今年11月で、スマパチが来年1月からの予定。ただし、ホール関係者やユーザーからの反応はイマイチだという。
「まずコストの問題があります。現在、パチンコの新機種は1台40万円以上。この20年で10万円は高くなっており、ホール経営を圧迫しています。しかも、スマパチ・スマスロともに導入費用はさらに高くなり、ホールは今以上にお客への還元率を減らして利益を確保する必要に迫られます。つまり、今後は勝つのがより難しくなる可能性があるわけです」(同)
ここ数年のファン離れを加速化させる原因となった出玉規制が解除されるとの噂も流れているが、現時点では不透明だ。
「仮に出玉規制が解除されてもハイリスクハイリターンになるだけで、ギャンブル依存症抑止に逆行すると再び非難されかねません。業界団体は導入に向け、盛り上がっている感をアピールしたいようですが、これをホール側が冷ややかに見ているという現実もあるようです」(同)
スマパチが低迷するパチンコ業界のカンフル剤になるか…。