綾部に続いてゆりやんも…芸人が海外進出したがるワケとは?

 野球やサッカーをはじめとするスポーツ選手、俳優やミュージシャンに限らず、最近はお笑い芸人の海外進出が目立つ。

 その代表格は、ニューヨークを拠点に活動するピース綾部と渡辺直美。また、2人の事務所の後輩にあたるゆりやんレトリィバァは、19年に出演した現地の人気オーディション番組で絶賛され一躍話題に。本人は24年10月に移住予定であることをすでに公言している。

 古くは身体を張ったパフォーマンス芸で知られる電撃ネットワークが90年代に「TOKYO SHOCK BOYS」の名で欧米圏で大ブレイク。東京五輪開幕式のピクトグラムパフォーマンスで話題になったHIRO-PONは、00年代から海外で高い評価を得ているサイレントコメディ・アーティストのがーまるちょばのメンバーだ。

 他にもスタンダップコメディのぜんじろうは若手時代に米シカゴに移住し、帰国後も精力的に海外で活動。そういえば、「PPAP」で一世を風靡したピコ太郎(古坂大魔王)は海外進出したわけではないが、16年に世界中で大ブレイク。瞬間最大風速としては海外で最も人気のあった日本人芸人だろう。

 そして、90年代に米国で“最もギャラの高いコメディエンヌ”と謳われたTAMAYOは、日本国内では無名に近い存在だが、海の向こうでは最も成功を収めた日本人芸人とも言われている。だが、なぜ芸人も海外進出をしたがるのだろうか?

「本場のショービジネスで通用するのか試したい、という純粋な気持ちはスポーツ選手と同じでしょう。ただ言葉があまり障壁とならないアスリートと違って、芸能の世界は英語の壁がありました。それでも芸人の場合は、サイレント芸もあるし、パフォーマンスで観客を惹きつけることができます。また、近年は日本でも顔の売れているメジャー芸人が海外で公演するケースも増えています。そうした流れもあり、海外進出に対するハードルがグッと下がり、最近は英語を身に着けて海外で勝負したいと志向する芸人が増えているんです」(エンタメ誌ライター)

 もちろん、言語も笑いのセンスも違う海外で成功するのは容易なことではない。それでも野球界の大谷翔平のように異国の地でMVP級の活躍をする日本人芸人が出てきてほしいものだ。

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