ロシアによるウクライナ侵攻が開始されて以降、朝の情報番組の中でも多くの時間を割いて報じてきたのがテレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」。SNS上にアップされた動画を用いて、ウクライナ各地の戦況を伝えてきたが、4月6日の放送回のシーンに「大誤報」を指摘する声が多くあがっている。
この日はウクライナ軍参謀本部のFacebookから引用する形で、ロシア軍の車両への砲撃の瞬間を伝え、一方でロシア国防省のTwitterにアップされたミサイル攻撃の映像も紹介。さらにウクライナ州知事のテレグラムに公開された映像では、小児病院の駐車場の車両が燃え上がり、「ロシア軍が砲撃」と伝えた。
激しい攻防戦を伝えていく中で、「緊迫 ウクライナ東部 銃撃戦の中 負傷兵救出瞬間」とのテロップでオンエアされた映像が物議を醸している。アルチェフスク市Twitterに4月3日に公開されたものとして紹介された市街地での銃撃戦シーン。銃声が鳴り響く中、車両の影に隠れた兵士を仲間の兵士がロープを使って安全な場所へと引っ張ろうとしている。ナレーターは「車の影に隠れているのはウクライナ兵。ロシア軍による銃撃が始まると、他のウクライナ兵士が体につないだロープを引っ張り救出。左足を撃たれたのか、うずくまったまま、地面を引きずられてきます」と、ロシア軍の攻撃にさらされるウクライナ兵たちの模様を伝えたのだが…。
「番組が放送されるや、SNSでは大誤報を指摘する声が噴出。『モーニングショー』でウクライナ兵と伝えたのはどうやらロシア軍のチェチェン部隊。この映像をいち早く日本に紹介したTwitterユーザーの投稿によれば、兵士に向かって発砲しているのはウクライナのアゾフ連隊とのこと。映像の中で飛び交っている言葉もチェチェン語で、引きずり出された兵士の左腕には白い腕章らしき布がまかれていました。白い布は親ロシアの象徴で、激戦地では敵味方を区別するために用いられ、一般市民の間でも『ロシア派住民』を示すサインとして使われていると聞きます。今回、ロシア側とウクライナ側を取り違えて救出劇として伝えたことで、《テレビ朝日はファクトチェック大丈夫か?》《白布はっきり出てるのに》《映像を切り取ったフェイクニュース》といったコメントが見られました」(ネットウォッチャー)
番組では兵士の救出劇をウクライナ側の美談として伝えたかったようだが、これでは情報操作と受け取られても仕方ないかもしれない。