プーチン「核ミサイル」照準は「英仏間の公海」に【1】官邸と国防族議員にも通知

 アメリカはポーランド経由でウクライナに対戦車砲を送り、軍事作戦顧問も潜入済み。NATOも秘かに情報哨戒機を飛ばした。事態が好転せず残虐のハードルをさらに上げたプーチンは北海に潜航させる原子力潜水艦から、ついに禁断の一発を発射するのか。米露大戦は既に始まっていた─。

「ロシアはウクライナが生物兵器や化学兵器を持っていると主張しているが、それはプーチン(大統領=69=)が両方の兵器の使用を検討している明確なサイン(兆候)だ」

 3月21日、アメリカのバイデン大統領(79)はワシントンで開かれた企業経営者らとの会合で演説し、プーチン大統領が仕掛ける偽旗作戦の欺瞞とその先にある危機を、こう暴いてみせた。

 生物兵器は天然痘ウイルス、コレラ菌、炭疽菌などの生物剤をバラまく手法。化学兵器はサリン、マスタードガス、VXガスなどの毒ガスで無差別に攻撃するもので、最終兵器とされる核兵器とともに使用が禁じられている、大量破壊兵器である。ウクライナ情勢に詳しい軍事専門家は、

「バイデンは米諜報当局がプーチンの周辺で秘かに築き上げた協力者などから極秘情報を収集。『まさか』と思われていたロシア軍によるウクライナ侵攻やその時期についても、ほぼ正確に言い当ててきました。その米諜報当局は『最近のプーチンは想定外の苦戦に激しく苛立ち、側近らを手当たり次第に難詰している』との情報も摑んでいる。正気を失いつつあるプーチンが戦局打開へ向け、生物・化学兵器の使用を命ずるのは時間の問題と言っていいでしょう」

 そう指摘した上で、確言した。

「米諜報当局は『プーチンが生物・化学兵器による最初のターゲットと考えているのは、侵攻開始から1カ月以上が経っても落ちないウクライナ東部の都市マリウポリだ』とみています。この攻撃が行われれば、攻撃地に展開するウクライナ軍はむろんのこと、民間人も含めて全滅状態に追い込まれます。しかし、このような非人道兵器による全滅作戦が繰り返されたとしても、全滅は局地的であるがゆえに、全土を制圧してゼレンスキー大統領を降伏、屈服させることは不可能。結局、プーチンが残虐性のハードルをさらに上げていく形で、戦局は泥沼化の一途を辿っていくことになるでしょう」

 そんな中、世界を震撼させるメガトン級の衝撃情報が飛び込んできた。

 狂気の大量殺戮男は生物・化学兵器の使用どころか、最終手段たる核兵器の使用へ向けた作戦の検討にも乗り出していたというのだ。

 米諜報機関と太いパイプを持つ日本の軍事アナリストが、その経緯を明かす。

「プーチンは2月24日の軍事侵攻直後から、核の使用をチラつかせながら恫喝を繰り返してきました。その後、CIA(中央情報局)をはじめとする米諜報当局は、ロシア内の協力者ルートを駆使してプーチンの真意が那辺にあるかを探ってきましたが、3月に入って間もなく『戦局の打開をもくろみ、生物・化学兵器に加えて、核兵器による攻撃作戦をすでに具体化している』との核心情報をキャッチしたのです。この情報は日本の防衛省を通じて官邸にも伝えられ、一部の国防族議員の知るところとなりました」

*「週刊アサヒ芸能」4月7日号より。【2】につづく

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