ロシアの攻撃による街の破壊、そして失われる命。この戦禍にウクライナの抵抗の象徴として矢面に立つゼレンスキー大統領。元テレビタレントらしく、戦闘色が印象的なTシャツ姿と演説の上手さ、いい意味で政治家らしくない好感度の高いルックスで、世界からの応援を一手に集めている。
そのゼレンスキー大統領が支援の強化を求め、欧米諸国の議会でリモート演説を続けている。そして日本にもオンラインによる国会演説の要請があり、岸田文雄首相は前向きに検討しているという。国民の間でも同氏がわが国に対してどんなスピーチをするのか期待が高まっているが、ここにきてそんな歓迎ムードに水を差すコメントがSNS上で目立ちはじめている。
「多くの日本国民がロシアのウクライナ侵攻に胸を痛め、ウクライナの人々に心から声援を送っています。ところが日本時間の16日、ゼレンスキー大統領がアメリカ連邦議会でリモート演説した内容に批判の声が上がっているんです」(週刊誌記者)
米連邦議会で同大統領は、ウクライナ上空の飛行禁止空域の設定、防空システムや戦闘機の供与などの追加支援、ロシアからの米企業の全面撤退などを求める演説を行った。ところが、日々ウクライナが受けている無差別攻撃について、「1941年の真珠湾攻撃を思い出してほしい。空が戦闘機で黒くなった。2001年の米同時多発テロを思い出してほしい。空からの攻撃で戦場になった。私たちはこの3週間、毎日、毎晩、同じことを経験している」と言葉に力を込めたために、日本では困惑の声が相次ぐことに。
「米国民向けに共感を求める方法として論及したのだと思いますが、真珠湾攻撃を例に挙げことで《日本にも支援を呼びかけている大統領とは思えない》《例えとして不適切》《考え方の主体が白人側》など、あれほど高かったゼレンスキー大統領の日本での好感度が一部で急落しているようなのです」(前出・週刊誌記者)
また、日本の国会演説についてもネット上には、《日本では原爆を思い出せとか言うつもり?》《米軍の空襲を持ち出すか》《アメリカが加害者の事例は絶対に挙げないだろう》などと予想する書き込みも込みも見受けられている。
「劇場型で心を揺さぶるスピーチ」と評されるゼレンスキー大統領。元テレビタレントでカメラの前で話すのはお手の物だけに、来週にもおこなわれる国会演説で、どんな話が飛び出すかに注目したい。
(飯野さつき)
*写真はゼレンスキー氏のFacebookより