この論議ばかりは、“反橋下派”の視聴者が大勢のようだ。
元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏が3月7日、朝の情報番組「めざまし8」(フジテレビ系)に出演。ここで繰り広げられたウクライナ出身の国際政治学者、グレンコ・アンドリーさんとの舌戦が波紋を呼んでいる。
「2人の論戦は3月3日に続いて2度目でした。『ロシアが瓦解するまでちょっと国外で退避してもいいじゃないですか』とウクライナ人の国外退避を推奨する橋下氏に対し、ある意味で戦火にいる当事者でもあるアンドリーさんは『ロシアに全土を占領されたら犠牲者は増えるだけ』『制圧されたら殺戮が始まります』と反論。両者一歩も引かない激論となっていました」(エンタメ誌ライター)
この日の橋下氏は、なかなか停戦合意が得られないことについて、NATO(北大西洋条約機構)がロシアと話をして政治的妥結をすることが重要と論及。「NATOが譲歩を示さないからプーチンが乗らない」と持論を述べ、また、現在国内にとどまっているウクライナ人男性には「国外に退避したい人には退避を認めるっていうのは、戦地のあの状況なんですから。僕はウクライナの戦争指導者には、そこはぜひ国外退避を認める方にやってもらいたい」と、ウクライナ国民の逃げる自由を認めるべきと改めて主張した。
それに対しアンドリー氏は、プーチンはNATOの妥協やウクライナの妥協というレベルでは話し合いに応じない、プーチンはウクライナの完全降伏しか求めていないと述べ、橋下氏がNATO側の努力が足りないとする意見に対して、外交努力をしてないというのは誤解で、プーチンが聞く耳を持っていないと反論した。
「橋下さんはNATOが譲歩すればロシアも話を聞くはずで、それに向かってNATOは努力すべきと。一方でアンドリーさんは、実際には話をしようと努力はしているがプーチンにその気がないという認識でした。このやり取りが延々と続いたため、一部の視聴者からは橋下氏に対し《聞く耳をもたない態度はどこかの為政者のようだ》《アンドリーさんに対してまったく譲歩しないのは何でだよ》といった呆れた声も漏れています」(前出・エンタメ誌ライター)
また、橋下氏のNATOに譲歩すべきという主張には《譲歩したら侵略した者勝ちになる》《ウクライナ人が自分たちだけ逃げて国のことはNATOに任せるとかできるわけないと思う》などの反対意見も多数見受けられた。
とはいえ、ウクライナとロシアは対話の糸を切ることなく、これ以上犠牲者を出さないよう何とか解決の途をさがしてほしいものだ。
(山田ここ)