元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏(53)が12日放送の「ゴゴスマ〜GOGO!smile〜」(TBS系)に出演。8日、奈良市で演説中に銃で撃たれ亡くなった安倍元総理大臣を追悼するコメントの中で、声を詰まらせ涙ながらに自身との関係を振り返るシーンがあった。
この日の放送では安倍元総理を乗せた車が永田町の自民党本部や首相官邸を巡り、最後のお別れをしながら火葬場へ向かう様子を中継。スタジオでそれを見守る橋下氏は「政治家ですから、政治姿勢とか、態度振る舞いに賛否両論があるんですけど、でも日本の国を引っ張ってくださったということに関しては、恐らく政治姿勢に反対の人もね、そこには安倍さんにみなさん手を合わせる気持ちがあると思います」と安倍元総理を称えた。
さらに安倍元総理との初対面は自身が大阪府知事2年目であった2009年だったと振り返り、「安倍さんはいろいろメディアを通じて僕の大阪府の改革の状況を知ってくれてたんですけど、その時に『橋下さん、命狙われてるでしょ?ほんと家族がね、心配してると思う。だけど政治家ってね、命狙われてから政治家なんだよ』と。『だから私も、もう1度そういう政治をやろうと思ってるんです』とおっしゃられて・・・」と安倍元総理とのエピソードを回顧。
自身も大阪府知事時代に多くの殺人予告を受けたという橋下氏は「安倍さんに対しては『死ね』とか『いなくなれ』とか、もう『害悪』だとか『悪魔』だとか酷かったですよ」「政治信条でもし仮に命を狙われたら、絶対あってはならないんだけど、まだ政治家として覚悟のもとであったと思うんだけど、僕今回のこれだけは納得できないですよ。これ原因はね、今のネット社会の中のいろんな言説が飛び交ってる中で、根拠のない何かそういうふうな情報に振り回されたことが犯意に影響してるんだったら、成熟した民主国家として表現の自由は重要だけれども、どうすんのって、ほんと悔しいですよ」と政治家への不確かなネット上の書き込みに対して問題性を指摘した。
コメンテーターとして活躍する橋下氏が、桜を見る会問題についてテレビ番組で安倍元総理を批判した際には、安倍元総理本人から電話がかかってきた事もあったという。安倍元総理から「コメンテーターなんだから、どんどん堂々と厳しく言って。私は辞めない。政治家と政治批判する者がね、真剣に議論することで、日本が良くなるから」と電話越しに言われたと、橋下氏は涙を浮かべながら振り返った。
橋下氏と安倍元総理の深い間柄が伺える放送となった。
(浜野ふみ)