鬼評価!「育成契約」が美談にはならない原巨人の三軍制

 良い意味で、ファンの予想を裏切ったようだ。

 原巨人は球団史上最多となる10人を育成ドラフトで指名した。また、故障、リハビリなどで公式戦の出場まで時間のかかりそうな支配下選手12人も育成契約とし、前オリックスの勝俣翔貴、鈴木優の2人も育成枠で獲得。これで、“三軍”は40人以上の大所帯となった。
 
「年末の動きを見る限り、さらに育成に比重を置いたということでしょう」(ベテラン記者)

 当初、こんな予想がされていた。11月のシーズン終了後、17人の選手を自由契約とした。同時に「育成契約を結び直す予定」とも伝えられたため、

「国内フリーエージェントによる補強を検討しているのだろう。プロテクト名簿に入れることのできない中堅、若手を人的補償の対象外である育成選手に回したのでは?」

 と、囁かれていた。

 しかし、今オフのFA市場には見向きもせず、外国人選手の補強も今のところ“地味”。現時点では米独立リーグのアダム・ウォーカー外野手と、メジャー複数球団を渡り歩いたマット・アンドリース投手の2人。これまでの“大物狙い”の傾向とは対照的だ。

「米球界のロックアウトが解除されたら、改めて動き出す」との情報も聞かれたが、即戦力を求めた補強はドラフト会議だけになってしまった。

「21年シーズンの敗因は投打の主力選手の不振です。ただ、期待されていたFAや新外国人の新加入選手が機能しなかったことも大きい。補強に失敗したから負けたとも解釈できるんですが」(同)

 見方を変えれば、来季は派手な「補強をしなくても勝てる」と読んでいるわけだ。

 40人強の大所帯となる三軍だが、試合相手は独立リーグや社会人、大学。地方遠征も多く、二軍戦とは異なる苦労や体力的負担も大きい。こんな指摘も聞かれた。

「巨人では、育成選手と支配下契約を結び直すときの判断基準は『一軍で今すぐ通用するかどうか』なんです。その評価の仕方は来年も変わりません」(球界関係者)

 三軍は、一軍戦力を補う別組織とも言えそうだ。

 フェニックスリーグで好投した堀田賢慎投手の支配下復帰は時間の問題とされるが、これだけの大所帯ともなれば、別の選手がいきなり頭角を現す可能性もある。

「育成選手は、大化けする可能性を秘めた選手とも言われます。そういう選手を見つけてこなければならないスカウトも大変ですよ。育成選手も発掘したスカウトも、1年目から『成長』という結果を問われますから」(同)

 無名選手の成長はプロ野球ファンの大好物だが、その舞台裏は「できなければ、容赦なく…」の厳しい世界でもある。原巨人は外部補強より厳しい方向に舵を取ったようだ。

(スポーツライター・飯山満)

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