錦鯉、ノンスタも樹立! M-1グランプリの仰天記録はこんなに

「M-1グランプリ2021」で第17代王者となった錦鯉。昨年の段階で、決勝進出者の最年長記録を塗り替え、今年は自己更新。ボケの長谷川雅紀は7月の誕生日で50歳の大台に乗り、決勝進出コンビで初の50代という記録も作った。昨年と変わらず歯が8本ない状態のままのため、“最少歯”記録もあわせて更新した。

 M-1は、優勝以外の新しいレコードが生まれるのも見どころのひとつだ。昨年覇者のマヂカルラブリーは、野田クリスタルが話術より動きで見せたため、「あれは漫才か?」論争がSNSを中心に巻き起こった。結果、ファイナルラウンドで審査員の票はマヂラブが3票、おいでやすこがが2票、見取り図が2票と割れ、準優勝が2組誕生。歴代で最も票が割れたため、マヂラブは薄氷の勝利と言われた。

 その前年の19年に更新されたのは史上最高得点だ。無名のダークホースだったミルクボーイは1stステージで歴代最高得点となる681点を叩きだした。その勢いに乗ったままファイナルラウンドを制して、初の栄冠を手に入れた。

 数字で、恐らくこの先も抜かれないであろう記録は視聴率。地元の大阪でアイドル的人気を博していたNON STYLEが優勝した08年は、関西で平均視聴率35.0%、優勝が決まった直後の瞬間最高視聴率は43.1%という驚異的な数字を弾きだしている。

「大会実行委員長の島田紳助さんとダウンタウンの松本人志が審査員席に座ることで、大会のブランド力が年々高まっていた時期。加えて、前年(07年)に敗者復活戦から一気に優勝をかっさらった“事件”をサンドウィッチマンが起こしていたため、この年も再び奇跡が見られるんじゃないかという期待感がリアルタイム視聴につながりました」(テレビ誌編集者)

 05年がブラックマヨネーズ、06年がチュートリアルと関西出身の漫才師が制してきたところに、07年は宮城県出身のサンドが来襲。再び浪速の底力を見せてほしいと関西人が願っていた08年、敗者復活戦からノーマークだったオードリーが勝ち上がってきた。関西人が祈るような気持ちでノンスタに肩入れしたことが、高視聴率につながったようだ。

 来年はどんな記録が生まれるのか、今から楽しみだ。

(北村ともこ)

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