12月12日、香港のシャティン競馬場で「香港国際競走」が開催される。日本からはGⅠ馬9頭を含む12頭が参戦。昨年は2勝、一昨年は3勝を挙げたが、今年は史上初となる日本馬の4レース制覇も夢じゃない!
ファンの間では、すっかり師走の楽しみとなった「香港国際競走」。12月12日は国内でもGⅠ阪神JF(15時40分発走)が行われる中、その前後に4つの海外GⅠレースの馬券が発売される。海外競馬に詳しい「スポーツ報知」の牧野博光デスクによれば、
「今年は日本馬の4戦全勝が期待できるとあって、例年以上に注目を集めそうです。その筆頭は第8Rの香港カップに出走するラヴズオンリーユーです」
同馬は11月6日に米国で行われた「第23回BCフィリー&メアターフ」で日本馬初の快挙を達成し、帰国することなく、12月1日に香港に乗り込んだ。
「馬券的に逆らう理由が何もありませんね。長距離輸送による若干の疲れは想定内ですし、あとは微調整で十分です。矢作調教師は馬の個性に合ったローテーションを緻密に組む戦略家。ここが引退レースとなるだけに、JCで有終の美を飾ったコントレイルと同じように、きっちりと花道を演出してくれると思います」
対抗馬も、無敗で大阪杯を制したレイパパレ、単穴がヒシイグアスと、日本馬の上位独占もありそうだ。
「レイパパレは初の海外遠征になりますが、陣営から『到着後、まもなくしてカイバを食べ始めた』と聞いて安心しました。すぐに環境に適応できるかが大きなポイントでしたから。ヒシイグアスは、8カ月ぶりのレースとなった天皇賞・秋をひと叩きされ、上積み十分。芝2000メートルは4戦3勝と適鞍で、狙いすました参戦です」(牧野氏)
対する外国馬については「東京スポーツ」でコラム「海外競馬解析」を執筆する競馬ライターの秋山響氏が解説する。
「前走、欧州中距離の最重要レースのひとつGⅠ英チャンピオンSを追い込んで2着した英国のドバイオナーに注目が集まりそう。ただ、近走のレースを見る限りでは、良馬場のスピード勝負に不安を残します」
秋山氏は、12頭中6頭を占める香港馬に注目して、
「カーインスターは前走のGⅡジョッキークラブCでクビ差の2着。出遅れなければ、と思わせましたし、同レースの3着馬グロリアスドラゴンは、長くいい脚を使うタイプで、超スローの展開に泣かされた。今回ペースが上がれば状況は好転します。最下位の7着だったパンフィールドにしても、他馬より斤量が2.5キロ重かっただけに見限れません」
*「週刊アサヒ芸能」12月16日号より。【後編】につづく