タクシー「相乗り」解禁も海外で大問題の“性犯罪”は大丈夫?

 国土交通省は先ごろ、目的地の近い他人同士がタクシーに同乗する“相乗り”を11月1日から全国で解禁すると発表したが、ネット上ではこれにある指摘が相次いでいる。

「解禁されるタクシーの相乗りはスマホの配車アプリの利用を想定したもので、運転手がタクシー乗り場で複数の客を同時に乗せることはできません。なお、料金は乗車前に提示されるシステムになるようで、1人で乗るよりは相乗りの方が割安になるため、新型コロナウイルスで大きな打撃を受けるタクシー業界の利用増も見込まれています」(社会部記者)

 コロナ対策で当面は3人掛けの後部座席は2人までに限定されるというが、相乗りが始まれば都心部の通勤ラッシュ時の混雑緩和やバスも減少する過疎地での貴重な移動手段になる可能性もある。

 しかし、その一方でネット上では《若い女性は気をつけた方がいい。家とか職場とかバレて付きまとわれる可能性もあるし、押し込み犯罪を狙われる危険性もある》《高齢者も強盗や詐欺のターゲットにされるかも》《犯罪じゃなくても、しつこく喋りかけられたりしても嫌だな…。相乗りの場合は後部座席の間に仕切りをして欲しい》など犯罪やトラブルを危惧する声も多く見られる。

「相乗りサービスもある米ウーバー・テクノロジーズ社のライドシェアサービス『Uber』では、2年間に約6000件の性犯罪が発生していたというデータもありますし、相乗りによる女性や高齢者を狙った犯罪やトラブルが増える可能性は少なからずあるでしょう。配車アプリ側で、なるべく女性同士をマッチングしたり、近い年齢層でマッチングするなどの対策も当然必要ですが、相乗りの場合は乗車する側も家のすぐ近くでは降車しないといったことを気をつける必要があるでしょうね」(ITジャーナリスト)

 中国ライドシェア最大手「滴滴出行(DiDi)」では悪質な性犯罪が起きたことで相乗りサービスが無期限停止になった例もあるので、スタートまでに安全対策を徹底してもらいたいものだ。

(小林洋三)

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