タクシーはノーマスクで天ぷらは手渡し…「オモウマい店」が捉えた沖縄の現実

 沖縄の感染拡大が止まらない。7月26日、沖縄県は5622人が新型コロナウイルスに感染したと発表。新規感染者は過去最多を更新し、10万人あたりの新規感染者数1933.31人は全国平均の872.17人とくらべて倍以上にふくらんでいる。

 くしくも7月26日に放送された「ヒューマンドキュメンタリー オモウマい店」(日本テレビ系)では「初上陸!沖縄スペシャル」と題して、オモてなしすぎでオモしろいウマい沖縄の名店を取り上げたのだが、ロケ映像を見た視聴者からは《もうコロナとかマスクとか関係ないって感じ》《店員さんもタクシーの運転手さんもぜんぜんマスクしてないやん。これコロナ前の映像?》といった指摘が相次いだ。

 VTRで那覇空港に降り立ったディレクターは、タクシーに乗り込む。運転手の男性に「景色を取りながら首里まで行きたいんですけど、前(助手席)に乗ってもいいですか?」と聞くと、「どうぞ」と快く了承を得た。40代のディレクターに「独身ですか?」「何歳ですか?」と質問する気さくな性格の運転手。健康のために1日1食はもずくを食べているという。とりとめのない会話をしていたが、その間、カメラはノーマスクの運転手の男性を映し続けていた。後部座席と運転席の間は透明のビニールシートで仕切られていたが、窓はしっかりと閉じられていたせいか、《運転手さん高齢そうだけど大丈夫なの?》などと“密”な空間での会話を危惧するコメントがSNSでも見受けられた。

 番組で紹介したのは、そばとうどんをメインにしながらも、天ぷらがどんどん提供されるというオモウマい店。店員が店内を歩き回っては、客席の皿に次から次へと揚げたての天ぷらを置いていく。

「店内ではノーマスクで食事をしながら会話をする客でごった返していました。店員さんはほとんどがきっちりとマスクを着用していましたが、『いる?いる?』とノーマスクでピーマンの天ぷらを配るスタッフの姿が映り込んでいました。客が拒否しても、かまわずに天ぷらを置いてくる過剰なサービスにスタジオは大盛り上がりで、あるパート女性が手づかみで天ぷらを配っていた時は、出演者からも『手で』『手渡し…』とツッコミが…。気になるのはロケの時期ですが、梅雨明け前とのことでおそらく6月中旬頃ではないでしょうか。その頃、1日の新規感染者は1400人から1500人の間を推移していました。玉城デニー知事が医療非常事態宣言を出したのが7月21日。さらに5000人を突破した今はもう少し危機感をもってコロナ対策に臨んでいると思いたいですね」(テレビ誌ライター)

 旅行者にとっては、自身の感染リスク同様、県民に感染させてしまうリスクも懸念される。コロナのことなど気にせずに沖縄旅行が楽しめる日はいつになるのか。

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