開場から半年以上経った豊洲市場だが、海外メディアから厳しい意見が相次ぎ、外国人観光客も激減しているという。市場関係者からは、「築地の頃と比べると売り上げが2割くらい減った」と嘆く声も聞こえてくるほどだ。
「5月13日には、アメリカの情報サイト『Seafood Source』に《観光客の誘致に苦戦する豊洲市場》という見出しの記事が掲載され、実際に豊洲へ足を運んだ上で《観光客はほとんどいなかった》と結論付けています。また、14日には『Tokyo Daily News』 でも《豊洲市場が直面する困難》との見出しで、《高層ビルの集合体》と皮肉るなど、海外メディアからの評判はよろしくないようです」(ネットウォッチャー)
実は豊洲市場の客離れは、開場からわずか1カ月経過した頃からすでに囁かれ始めており、それが徐々に拡大しつつあるようだ。豊洲から離れた客がどこへ行っているのかというと、旧市場があった築地だとの見方ある。記者も17日に築地場外市場を訪れたのだが、豊洲市場の開場直後と比べると明らかに外国人観光客の数が増えているのである。
場外市場にある飲食店で最近の様子を聞いてみたところ、こんな答えが返ってきた。
「ここ2〜3カ月でまた活気が戻って来ましたね。外国人観光客に『なぜ豊洲ではなくこちらに来たんですか?』と尋ねてみたら、『あっちは市場も飲食店もすべてビルの中に入っていて、何の面白みもなかった。私たちはもっと伝統的な市場の姿を見たかった』って言うんですよ」
手を入れれば入れるほど観光客離れが進むとは皮肉なものだ。
(小林洋三)