6600円の“インバウン丼”も登場、新名所・豊洲のニセコ化が止まらない

 2月1日、東京・豊洲市場の観光施設「豊洲 千客万来」がオープンして、新名所として期待が寄せられている。

 ゆりかもめ「市場前駅」からデッキで直結していて、改札から徒歩4分と好立地。江戸の街並みをリアルに再現した商業施設で、約70店舗が集まった「食楽棟」と宿泊も可能な「温浴棟」で構成されている。

「当初の計画から5年遅れの開業ということもあり、初の週末には、待ちわびていたお客さんで施設内は埋め尽くされ、大賑わいでした」(社会部記者)

 上々の客足にホッと胸を撫でおろす中、話題になっているのは、飲食店で提供される料理の価格設定だ。利用した男性客がこう話す。

「フードコートの店にもよりますが、海鮮丼の『本マグロのトロ三昧』が6600円、『江戸辻屋の本マグロ丼』が6980円で提供されていて驚きました。インバウンド(訪日外国人)需要を見越した値段設定で、日本人客はなかなか手が出ない様子でしたね」

 物価高に賃金上昇が追いついていない日本人と、円安でリーズナブルに感じる外国人観光客の間で〝格差〟が生じているようで、界隈では、豊洲の「ニセコ化」を指摘する声があがっている。

 北海道虻田郡にあるニセコ町といえば、「JAPOW」と呼ばれるパウダースノー(粉雪)が海外で有名になり、ウィンタースポーツに興じる外国人の間で人気になった。

「00年代以降、10年間で3倍近くの外国人観光客が急増。コロナ禍でいったん姿を消しましたが、今シーズンは再び海外スキー客が殺到しています」(前出・社会部記者)

 そうなると、インバウンド目当てでホテルの宿泊代が高騰。飲食店も〝強気〟な値段設定になっているようで…。地元住民はこう明かす。

「観光客の数に比べてレストランが圧倒的に少ないため、2月下旬までニセコの『イート・ストリート』にキッチンカーが集結しています。北海道のテレビ局・UHBでも報じられて話題になっていましたが、スープカレーやかつ丼が3000円など高額メニューが並び、地元民は手が出せませんよ」

 この先、豊洲やニセコだけではなく、どこの観光地も〝インバウン丼〟があたり前になり、財布の紐が固い日本人は遠ざかってしまうのだろうか。

(風吹啓太)

※写真はイメージです

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