令和初「日本ダービー」で必中激論(3)皐月賞5着も評価が低いクラージュゲリエが穴だ

和田 では、水戸さんの本命にいきましょうか。

水戸 私はクラージュゲリエだ。前2走とも、正直いえば太かった。2カ月半ぶりの共同通信杯(3着)がプラス12キロの488キロ。皐月賞ではしぼれてくるかと思ったら2キロ増だった。この馬は気性が激しくて、操縦が難しいところがあるんだけど、それでも勝ち馬とコンマ6秒差の5着。まだまだ見捨てちゃいけない。

渡辺 確かに、僕が思っていたよりも皐月賞は頑張っていましたが、休み明けとはいえ、共同通信杯は不満ですね。3着とはいえ、7頭立てでしたから。水戸 GⅠ、特にダービーを勝つ馬というのは不思議なもので、血統(母系)がおしなべていい。そして見栄えがする体をしている。その両方を兼ね備えているのがこの馬なんだ。近親にトゥザヴィクトリーなど、GⅠ馬が数多くいる良血。暖かくなって稽古もビシビシやっているだろうから、馬体は締まってくるはず。叩き3戦目というのもいいし、雨が降っても大丈夫。

和田 この週からCコースに変わるし、良馬場なら33秒台の脚が使えない馬は厳しいと思います。馬場がシブれば2~3着はあるかもしれませんけどね。

水戸 でもこの馬、瞬発力はあるんだよ。上がり脚は、その時の馬場状態にもよるから。デビューから3戦まで最速で上がっているように、エンジンがかかったら、かなりいい脚を使えるタイプの馬なんだ。

渡辺 このメンバーに入ると、人気がないのは間違いないので、穴としてはおもしろいですよね。

和田 確かに。皐月賞5着のわりには人気薄だね。

渡辺 僕が穴で狙ってみたいのはアドマイヤジャスタとエメラルファイト。前者の皐月賞は17番枠で16番手からの競馬。それでいて8着ですからね。しかもホープフルSでは、サートゥルナーリアとコンマ2秒差の2着。今回はデムーロの鬼騎乗で2~3着はあると思います。後者は白帽(1枠)限定ですが、3連単の3着固定がおもしろいかと。

水戸 私もアドマイヤジャスタはいいと思う。母の父にエリシオの血が入っているから距離も問題ない。東京は初めてだけど、左回りの中京で勝っているし、どんな競馬もできそうだな。

和田 ホープフルSの1、2着馬にしては、馬連でもけっこうつきそうだよね。

渡辺 これはいい配当になりますよ(笑)。

和田 僕は皐月賞4着以下の馬より、同じ舞台を走ったアドバンテージから、青葉賞2着のランフォザローゼスに印を回したい。最初の1000メートル通過が59秒9でしたから、例年よりも評価していいと思います。

水戸 2着続きで決め手に欠ける面はあるけど、祖母がエアグルーヴで破壊力はある。軽視はできない。

渡辺 ただ、この馬も福永騎手に乗り替わるんですよね。

和田 乗り替わりでダービーを勝ったのは、85年のシリウスシンボリ以来、33年間なし。サートゥルナーリアのレーン騎手のようにテン乗り(その馬に初めて騎乗してレースに出る)となると、65年前の54年ゴールデンウエーブまで遡ります。

水戸 じゃあ、サートゥルナーリアは危ないな(笑)。

和田 まあ、テン乗りでも2~3着はありますけど。

渡辺 と言いながら、あっさり勝つんじゃないですかね。「令和」最初のダービーですから、過去の例は、あっさり覆るという。

全員 ハハハハ。

水戸正晴:サンケイスポーツ記者。競馬記者歴は40年を優に超えている。穴党にファンが多く、愛称は「水戸万助」。週刊アサヒ芸能で「『絶対万券』論」を執筆中。

キャプテン渡辺:ピン芸人。テレビ東京「ウイニング競馬」に出演中。競馬歴は24年目。今年の回収率は100%をキープしている穴党の勝負師。

和田稔夫:競馬専門誌「Gallop」予想担当。記者歴は21年目。藤沢厩舎に強く、美浦トレセンを中心に取材の鬼としても知られる。

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