天才テリー伊藤対談「小池百合子」(4)築地に日本を代表する建築物をぜひ

小池 私たち自身の意識も高めるために、都の職員に募集をかけてボッチャチームを作ったんです。「ボッチャ」は〝地上のカーリング〟とも呼ばれる、パラリンピックの正式種目になっている競技なんですが、今、国内に100を超えるチームができているんです。

テリー そうなんですか、まったく知らなかった。

小池 これは健常者でも十分に楽しめます。別にボッチャじゃなくてもいいですから、ぜひテリーさんも何か1つ競技に参加して、パラリンピック普及に協力していただけますか。

テリー ええっ、何がいいんだろう‥‥あれ、何か鈴の入ったボールを転がす競技、ありましたよね。

小池 ゴールボール(目隠しをしながら鈴の入ったボールを転がし、ゴールに入れることで得点する球技)ですね。サッカーに似ていて、おもしろいですよ。鈴の音を頼りにプレーしますから、競技中は観客も静かにしていないといけなくて、会場の雰囲気も独特ですよね。

テリー あれは集中力も養えそうだし、ちょっとやってみたいなと思いました。

小池 本当に? もしテリーさんがお始めになるんでしたら、都が全力で応援しますよ。「チーム・テリー」とか。

テリー じゃあ、僕も小池さんに逆提案させていただきたいんですが、いいですか。まず世界の首都には、代表的なアイコンがあるんですよ。例えば、パリにはエッフェル塔、ロンドンには国会議事堂やビッグベン、ニューヨークには自由の女神。日本はどうですか?

小池 今、都では渋谷のスクランブル交差点を積極的にアピールしています。

テリー わかりますけど、僕からしたら、それって少し寂しいんですよ。そこで先ほどの築地の話に戻るわけです。築地の再開発を進めるにあたって、東京湾から撮影したら、まるでシドニーのオペラハウスみたいに日本のアイコンとなるような、すばらしいランドスケープを作るべきだと思うんです。

小池 ああ、なるほど。

テリー それこそ木材を生かしたような、東京の独自の美を確立する提案を早くしていただきたいんです。このままだと、お台場や豊洲と同じような風景になっちゃいそうですから、今日は、それをどうしても小池さんにお伝えしたかったんですよ。

小池 そうでしたか、ありがとうございます。

テリー あと、どこかのテレビ枠で関連番組を持つとか、ジャニーズとコラボして大会を盛り上げるとか、いろいろと五輪を盛り上げるためのアイデアがあるんですよ。

小池 さすがは名プロデューサー(笑)、実に心強いですね。

テリー 僕も都民の一人として、今回の東京オリンピックの成功を望んでいますからね。64年の時は中学3年だったんですが、テレビで開会式を見ていたら、ブルーインパルスが空に五輪のマークを描いていたんですよ。「あっ」と思って急いで窓を開けたら‥‥。

小池 ご覧になったんですか。

テリー そう、五輪のマークが実際の空に見えたんです。その感動をよく覚えているから、今回のオリンピックも、みんなの記憶に残るものにしたいんです。

小池 私も多くの人の思い出になる大会にしたいと思っています。いろいろなお知恵をお借りして、絶対に成功させたいと思っていますので、テリーさんもアドバイスをお願いします。

テリー ぜひ、いろいろご提案させてください。今度作戦会議をしましょう。

<テリーからひと言>

 東京の新しいシンボルをぜひ築地跡地に! 大イベントがめじろ押しで大変だと思いますが、頑張ってほしいね。期待しています。

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