ライバルは大活躍!阪神・佐藤輝明が新人王争いから完全脱落か

 9月28日のセ・リーグ3試合で新人王候補4人が「強いインパクト」を残した。

 まず、甲子園球場で行われた阪神対広島戦で、広島のクローザー・栗林良吏が27セーブ目を挙げた。2015年、山﨑康晃が作った記録を更新する「登板10試合連続セーブ」であり、球団新人最多セーブ数も塗り替えた。前半戦は落差の大きいフォークボールで対戦打者たちを翻弄していたが、終盤戦に入ってからはウィニングショットに直球を選択する場面も増えてきた。

「43試合目の登板です。かなり疲れていますが、気力で投げているというか、全身を使っての力投でした」(スポーツ紙記者)

 しかし、その力投が9回最後の守備に着く広島ナインを鼓舞している。これに対し、同試合で不名誉なプロ野球記録に並んでしまったのが、阪神・佐藤輝明だ。

「7番・右翼」でスタメン出場したが、ノーヒット。1993年に記録された53打席連続無安打の野手ワースト記録を塗り替えてしまった。

「同日の神宮球場で行われたヤクルト対DeNA戦で、牧秀悟が今季117本目のヒットを放ち、59年、桑田武が作った球団新人記録に並びました」(同前)

 62年ぶりの快挙だ。牧が球団記録を塗り替えるのも時間の問題となり、DeNAは試合には敗れたものの、雰囲気は明るかった。

 また、その試合で勝利投手となったのが、新人王の資格を有する2年目の奥川恭伸。栗林、牧、奥川が活躍し、佐藤だけがマイナスのイメージを広げてしまった。

「ペナントレース前半戦は、セ・リーグの話題は『佐藤一色』と言っても過言ではありませんでした。代名詞だった本塁打も8月19日に23号アーチを放って以来、ストップしたまま。阪神が優勝を逃すことになれば、佐藤が戦犯に挙げられるかも」(球界関係者)

 翌29日、佐藤はスタメンからも外され、暗い表情でグラウンドを見ていた。

「バットスイングが遅くなった印象です。不振が長引き、ボールを叩くのではなく、バットに当てに行っているからだと思います」(同前)

 前半戦と後半戦で、こんなにも変わるものなのか? 新人王レースからも完全に脱落してしまった。シーズンは長いということを、佐藤は痛感しているのではないだろうか。

(スポーツライター・飯山満)

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