「私立大」の半数が”定員割れ” 少子化なのに増え続けるヘンテコ理由

 日本私立学校振興・共済事業団の調査により、私立大全体で定員に対し実際どれだけ入学者がいたのかを示す“入学定員充足率”が1999年の調査開始以来初めて100%を下回っていたことが判明した。

 今春定員割れした私立大は前年度よりも93校増えて全体のおよそ半数となる46.4%に達したが、この状況を「当然」とする指摘が相次いでいる。

「同調査は募集を停止しているところを除いた私立大597校などが対象となっていて、今春の入学定員充足率は全体で99.8%となり、入学定員が3000人以上の大学が99.9%だったのに対し、定員400人未満は95.2%と、小規模であるほど充足率が低いことも明らかになっています。定員割れが相次いだ原因としては、18歳の人口が前年度から2万6208人も減っていることに加え、コロナ禍によって外国人留学生が入国制限されたことなどが挙げられています」(社会部記者)

 これにネット上では、《大学を作りすぎたからでしょ。少子化で入学者数はどんどん減るんだから》《マジで行く必要ある?って感じの私立大が増えすぎだし、文科省の認可がユルすぎなのでは》《どこも定員割れしてるなら、希望する人は誰でも入れるんじゃないか。もうこれ私大の数は制限した方がいい》などと、私立大の多さを問題視する声が広がっている。

「充足率が100%を下回り、約半数が定員割れしているにもかかわらず、私立大の数は3年連続で増加し、今年度は過去最高を記録していますからね。これだけ私立大が増えるのは、国から支給される私学助成金が原因の一つとみられており、毎年約3000億円が支払われているのです。しかし、約4割の私立大は赤字経営になっているというので、今後は新たに作る私立大を制限したり、赤字が続く大学への補助金を見直したりする必要はあると思います」(教育ライター)

 それでもまだ、私立大学は増え続ける?

(小林洋三)

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