北海道日本ハムファイターズの清宮幸太郎内野手が、9月19、20日のDeNA二軍戦で17号、18号本塁打を連発した。イースタンリーグの本塁打王争いでトップの埼玉西武・渡部健人内野手に並び、二軍ながらも初のタイトル獲得の可能性が見えてきた。
「打撃成績が良いのなら、一軍昇格の話が出てもおかしくはないんですが。そういう動きは一切見えていません」(スポーツ紙記者)
奇しくも19日のナイトゲームで、同級生でもある東京ヤクルト・村上宗隆内野手がNPB史上最年少での到達となる100号アーチを放った。
ドラフト同期生を見渡せば、千葉ロッテ・安田尚憲内野手も今季はすでに100試合に出ており、育成選手だった福岡ソフトバンクのリチャード内野手も一軍戦力として定着しつつある。2017年ドラフト会議でいちばん熱い注目を集めたのは清宮だったが、同級生たちから完全に出遅れてしまった。
それにしても、イースタンリーグで本塁打王争いを繰り広げている清宮を昇格させないのはナゼだろうか。日本ハム打線は12球団ワーストのチーム打率である(2割3分1厘)。
一部では「2割ちょうど」という、打率の低さを指摘する声も出ていた。
「清宮はプロ1年目から打撃フォームが変わっていません。村上、安田らは良い意味で打撃フォームが変わり、スイングスピードも上がり、かつ力強くなりました」(球界関係者)
極端な言い方だが、清宮は早実高時代からほとんど変わっていないそうだ。
日本ハム首脳陣も、今のままではその素質を開花させられないことは分かっている。それでも改造に踏み切らないのは、清宮自身が「何が足らないのか」、それに気づくのを待っているからだという。また、ケガの多い選手でもあるので、強化指定選手としての特訓に耐えられるだけの基礎体力も備わっていないのだろう。
「中田翔の移籍後、一軍の一塁は主に高濱祐仁選手が守っており、4番は近藤健介外野手が努めています。近藤は打率を残すタイプであって、やはり、4番は一発長打が望める選手のほうが良い」(同前)
ならば活躍のチャンスは十分にありそうだが、まずはオトナのスイングを習得しなければならない。二軍ではあるが、本塁打王争いに加わったことで清宮に「絶対に一軍で!」の欲が出てくればいいのだが…。
(スポーツライター・飯山満)