ネット時間が初めて「テレビ視聴時間超え」コロナが原因ってホント!?

 総務省が8月25日、「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」を発表。10代~60代が、平日にテレビを観る時間よりもインターネットを利用する時間が上回った。これは21年の調査開始以来初めてのことで、テレビ業界の凋落を強く印象付ける結果となった。

 同調査によれば、平日の10代~60代のネット利用時間の平均は168.4分で、前年の126.2分から40分以上も増。その一方で、テレビの視聴時間の平均は163.2分で、ネット利用時間に逆転されたのに加え前年の161.2分とほぼ変わらない結果となった。年齢別で見ると10代~40代の4つの世代でインターネット利用がテレビ視聴を上回っている。

 ネット利用が増えた理由については、新型コロナウイルス感染拡大による在宅時間が増えたことを指摘する専門家もいるが、ネット上では《若者の在宅時間がいかに増えようと、テレビが面白ければテレビを観るんじゃないの? 単にテレビに観る価値がなくなっただけでは?》《いやいや、在宅時間が増えたってことはテレビもネットも平等に利用できる時間は増えているわけで、単純にテレビが選ばれなくなったというだけのこと》《テレビがつまらないからテレビ離れが進行してるだけ。衝撃映像◯◯連発とかいって昔のネットの動画を未だに放映してるテレビはオワコン》などコロナは関係ないとする指摘が多く見られる。

「コロナ禍で在宅時間が増えてもテレビ視聴が増えなかったのは、単純に以前以上の観たい番組がなかったからではないでしょうか。NHK放送文化研究所が今年5月に発表した『2020年 国民生活時間調査』によれば、10代~20代の約半数がほぼテレビを観ないことが明らかになっているように、もはや若者の中では家ですることの選択肢に“テレビを観る”がなくなりつつある。加えて、ネット配信で見逃し番組を観る人が増えたのも、追い打ちをかけていると思われます」(ITジャーナリスト)

 いずれにせよ、テレビ視聴者数の頭打ちが明らかになった格好だ。

(小林洋三)

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