「金メダルマシン」を量産!? 中国の衝撃的な選手育成法に英紙が警鐘! 

 何かにつけて日本の動きを批判的に伝えるのが常の中国メディアだが、おそらくは日本と同じコロナ禍の中で来年の北京五輪の開催(2月4日〜20日予定)を余儀なくされるであろう今回は、「期待を上回る盛り上がり」「世界を元気づけた」(「環境時報」)とほぼ手放しの礼賛。大過なく終えた東京五輪の“前例”をほくそ笑んでいる。

 ところがやはり欧米の中国に対する視線は手厳しく、8月11日にはイギリスのタブロイド紙の『ザ・サン』が、中国のスポーツ英才育成はまるで「金メダルマシン育成」だと、児童虐待に当たるのではとの疑問を投げかけた。

「同紙によれば、中国は是が非でもメダル獲得したいがために欧米では不人気の種目に狙いを絞って『ソ連式』モデルで年若い子供を徹底的に育成。国が運営する2000以上のスポーツ学校で、数万人単位で子供をかき集めてマシンのように育成を行っていると伝えたのです。そして掲載された写真には、1本の鉄棒に4歳くらいの子供がほぼショーツ1枚の姿で鈴なりのようにブラさがり、降りたいのに降りられなくて苦しいのか、涙を流しながら歯を食いしばっている子供の姿が写っていました。そして中国のスポーツ関係者の声を紹介しているんですが、それによると、『経済状況がよくない家庭の子供ほど厳しい訓練に適応する』のだとか」(スポーツライター)

 同じような声が実は国内からも上がっている。

 中国の女子飛び込みのわずか14歳の少女が今五輪で見事金メダルを獲得したのだが、メダル獲得直後のインタビューではインタビュアーと会話が噛み合わないという一幕があった。それを見た中国国内で有名な科学ライターでインフルエンサーでもある女性が、その模様を収めた動画をSNSにアップした上で、「14歳が日常的な質問も理解できないのを見ると、かわいいではなく悲しい」との意見を投稿。やはりマシンのように扱われたためにコミュニケーション能力が通常のように育っていないのではないかとしたのだ。しかもこの選手は、「お金をたくさん稼いで母の病気を治療したい」と本音を告白。まるでサン紙が指摘した実情を裏付けるようなものだった。

 ただこれには中国国内でも意見が分かれ、「広東語と北京語の違いのため」という擁護論もあれば、やはり中国は人間をマシン扱いしているという意見も。

 ちなみにこの選手、大会後には野次馬やマスコミが自宅前に大勢詰めかけるので困っているという。結局はいかにも中国といったオチが付くようだ。

(猫間滋)

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